ロードシック
文学少年が願った事は「一生読み続けられる本と出会う」こと。それは勿論文字通りの意味で、「自分の名作を探す」という思想の筈だった。
そんな時彼が出会った一冊は「読み終わるとリロードされ、違う話になる」不思議な本でーー
春休みの五日目。
彼は休みの間に読もうと思って大量に買った本を全て一気に読み終えてしまったようで、退屈そうな顔をしながら机に突っぷしていた。
そして書店のカバーがかかったまま本棚に置いてある分厚い小説を横目に、一言ぽつりと。
「一生読み続けられる本があったら良いのになぁ」
思想通りの意味であるならば。彼は「何度読んでも飽きない」本を必要とした。
筈だった。
ロードシック