ウイーン版『エリザベート』

4/23 ウイーン版『エリザベート』梅田芸術劇場

エリザベート=マヤ・ハクホート

ルイジ・ルキーニ=ブルーノ・グラッシーニ

トート=マテ・カマラス

フランツ・ヨーゼフ=マルクス・ポール

始まる前、東宝版「エリザ」を十数回も観ていた私としてはとても懐かしい舞台に会える気持ちで一杯だった(^-^)

だが当然舞台装置は違うし立ち居地とか場面の順番も異なっていたり、なにより両横に出てくるスーパーの日本語訳が聞き覚えた歌詞と全然違う!次第にこれは別物だと・・・(笑)当たり前のはなしなんだけど。

まづ最初のルキーニの登場は吊り下げられた自分の姿をした人形の側に立っていた。そして死者たちが蘇る・・・、あぁ?この音楽、やっぱりエリザベートだ! なんと懐かしい響きだろう!(笑)

舞台にはエリザベートのシルエットをくり抜いた背景がありそのシルエットの中から父と娘の場面が始まった。

エリザベートが落下・・・、だがすぐに舞台中央からトートがエリザベートを抱きかかえて登場しそのままベットへと運ぶ。勿論『愛と死のロンド』は無い(^^♪

私はこの『愛と死のロンド』は如何にも宝塚的な歌なので余り好きではないので、この歌が無いのは良いのだが、そうなるとトートがシシィに一目惚れしたってのが判り辛いかな?

この舞台で最も印象的なのが舞台の上手から中央へ向かって降りてくるエリザベートを刺した短剣を模っていると言われる大きなスロープ、上手の上部から舞台の真ん中辺りまでドー?ンと伸びていてトートはこれを駆け上がったり降りたする。それ以外の舞台装置は彫刻を思わせるものが多かったかなぁ?。「私が側にいれば」はゴンドラに乗ってゆらゆら揺れていた(笑)

場面が少し違っていた所もあった。「最後通告」の時、舞台下手にはエリザベートが机に向かっている、そして同時に上手ではゾフィによる皇太子教育が行われているといった状態、これは判り易かったなぁ!その後フランツに「ルドルフに酷いしつけを・・・」と訴える場面が生きてくる。

「夜のボート」は本当に素晴らしかった!フランツもエリザベートもお互いの心が行き違ってしまった悲しさがよく伝わり二人の淋しい歌声に思わず涙が滲んだ。

ついつい東宝版と比べてしまうのだが、ウイーン版でも色んな動物が出てきたなぁ(^^ゞ 最も驚いたのはゾフィと側近たちがエリザベートに対抗する為にフランツに娼婦を与えようと相談する場面、なんと全員が馬に乗っているのにはびっくりした。しかもこの馬が飛んだり跳ねたり・・・(笑)

エリザベートを演じたマヤ・ハクホートさんの歌声が本当に素晴らしい!伸びやかで感情豊かで・・・、歌詞は両サイドにスーパーで表示されるのだが、この詩訳が東宝版よりもストレートに訳されていて思わず涙ぐむシーンもあった。

実は大きな声では言えないのだが(笑)私は一路さんの少し喉にかかる声が余り好きではないので、東宝版では余りシシィに感情移入することは無かったが、マヤさんの歌声には聞惚れた!「私が側にいれば」「夜のボート」この2曲では思わず涙が滲んだ。

トート役のマテ・カマラスさんはロック歌手なの?そんな解説もあった気がするが、私が感じたのはとてもナイーブなトート何が何でもシシィを奪うといった迫力が感じられなかったように思う。マテさんはとても評判は良いらしいのだが、どちらかと言えばルドルフ役のルカス・ベルマンの方が迫力が有ったような気がする。

フランツはとっても良かった!最初のうちはマザコン皇帝がありありと見えるが次第にゾフィに反抗し「夜のボート」辺りでは本当にしみじみとシシィに語りかける愛情一杯のフランツがとっても可哀相になった。

残念な事にチビルドルフがとっても下手だったなぁ!これは現地採用という事で稽古不足かもしれないが。

最後のシーンはトートがエリザベートにキスをするとぐったりとするところを黒天使(これは宝塚用語かな?(^-^)が抱きかかえて地の底へ降りて行きトートはさっさと上手に消える。チョットあっけない幕切れ。

始めてみた外国版のミュージカル、勿論ストーリーも音楽も良く知っていたからこそ理解が出来たのだと思うけど、観終わった後に深か―い感動が沸きあがってきた。もう一回みたい!そう思ったのだけれど、残念ながらこの日は一回公演で、夜はこのエリザベートご一行は下のドラマシティの『TOMMY』をご観劇だった(笑)実は私も其処にいたのだが、あっきーから紹介があった。うぅーん、どちらかと言えば私はエリザベートの方をもう一回観たかったなぁ!

ウイーン版『エリザベート』

ウイーン版『エリザベート』

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-01-09

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