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あの店の一番隅の席で
いつか死ぬのなんて口ずさんでいること
誰も知らないから
秋を知らせるあたたかいスープは私だけのもの

大雨の真ん中で広げた黄色い傘は
あなたのための色だったんだよ

好きでもないものを好きになって
そのことがこんなに寂しいなんて
あなたが忘れなければ知らなくてすんだことなのに

頼んだスープはあなたの好きそうな味だった
馬鹿みたいにくどくてどろどろして舌に残る

後味はいつも悪い

さよならの仕方を習わないまま
おとなになってしまったから
あなたの笑い方が忘れられないのかもね

いつだって上手に世界を渡っていく誰かに憧れていた
ジャスが流れるどこにでもあるあの店の隅の方

運命で見つけてっていつも願っていた
いつもいつもいつも

嘘なんかひとつもなく
でも真実は後回しで
あなたのこと好きだったから

20150914

26

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-22

Copyrighted
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