青の彼方

僕は、あの青にどれだけ近づけただろう。

永遠という泡沫の前に、僕らはどれだけ分かり合えただろう。

君が求めた青さに、僕はどれだけ近づけただろう。



君がいなくなってしまうのは、寂しい。
ずっとそばにいてほしかった。
ずっと分かり合おうとしたかった。

もう、会うことはないけれど、
もう、叶うことはないけれど、



受け入れるしか、ないのなら。

不確かな永遠

1ヶ月。

それが、僕と彼女に残された時間。



知ったのは、ほんの数週間前だった。
いつものように彼女と駅で待ち合わせ、水族館に向かうところだった。

世間一般では大型連休というやつで、いつも混んでいる電車がさらに人で埋まり、掴まるものもない。
僕は彼女を庇う形でドア付近の手すりに彼女を追い込み、所謂壁ドンのような体勢になった。

「ふふっ」

彼女が笑う。

陽平(ようへい)がそんなことするなんて、珍しいね」

嬉しそうに、笑う。
そういえば、前に彼女が壁ドンがどうこうと話していたような気がする。
そのとき僕はスマホをいじりながら聞き流していたので、はっきりとは覚えていないが。

「そんなに嬉しいならいつでもやってやるけど」
「ええー、うっそだー。前だって面倒臭がってやってくれなかったじゃん」
「覚えてないな」

彼女とは、あまり喧嘩したことがない。
彼女はいつも穏やかで、感情を乱すことは少ない。
そんな彼女を「へらへらしている」と評した人物がいたらしく、彼女は不思議がっていたが。

「あっ」
「何?」
「陽平…」

彼女が何かに気付き、少し下に目線を移す。
不思議に思って僕も視線を下にやるが、何のことだかさっぱりわからない。
数秒間記憶を辿っていたが、やはり思い出せない。

「指輪!」

あ。
彼女の一言で、僕はお揃いで買った指輪を忘れていたことに気付いた。
そんな大事なものを素で忘れているなんて。しかも彼女とのデートの日に。
彼氏としては落第点だろう。

「まあでも、陽平がいてくれればそれでいいけどね」

小声で呟く内容も、全て聞き取っている。
まったく、最高の彼女だ。

自身の行動をすっかり棚に上げ、彼女の器の大きさを賞賛する。
恥ずかしくて口には出せないため、常に脳内限定だが。

そんなカップルらしいやり取りをしているうちに、目的の駅に到着した。


この水族館も付き合ってからまあ何度も来ているわけだが、彼女は海の生き物がとても好きらしく何度見ても飽きないらしい。
とりわけ気に入っているのが、クラゲだ。

深海を彷彿とさせる深い青色の水槽に、異様な数のクラゲが漂っている。
水中で光るクラゲは、遠目で見れば綺麗とも思えるが、じっくり見ているとその動きが不気味にも思えてくる。

彼女は、クラゲの水槽を見つめたまま動かない。

どっと押し寄せる観光客の波に揉まれてなお、一歩も引かない。
周りの客と違い、彼女は写真を撮ろうとしない。

ただ、ずっとクラゲの水槽を見つめ続けるのだった。

これもいつものことではあるが、そろそろ頃合いだと思い僕も歩き出した。

「ほら、行くぞ」

彼女の頭を丸めた水族館の案内パンフレットで軽く叩いてやると、ようやくこちらに気付いた様子だった。

「えー、もうちょっと見たいー」
「腹減ったし、また来れるだろ」

渋る彼女の手を握ると、僕はそこから連れ出すような形で歩いた。
繋がれた手は、とても温かかった。

「どうしたの?今日は何か積極的だね」

嬉しそうな声色で僕のすぐ後ろを歩く。

「そうか?いつもこんな感じだろ」
「ええー違うよーいつもは私を置いてどんどん先に行っちゃうもん」
「…」

少し身に覚えがあったような気がするが、まさかずっと気にしていたのか。
それなら申し訳なかった。代わりに今日は積極的なスタイルでいくことにしよう。

指輪も忘れたことだし。

「なあ、沙月(さつき)
「うん?」
「海、行くか?」

その瞬間、彼女の瞳が輝いた。

「行く!」

子供のように喜ぶ彼女に、思わず表情が緩む。
たまらなくなって彼女の頭にぽんぽん、と手を置くと、彼女が僕を見上げた。

「え?」
「いや、かわいいなと思って」

思ったことを正直に言うと、彼女は何故か誇らしげに笑う。

「でしょでしょ?もっと言って!」

彼女はこちらに体を傾けながら歩く。
周りの視線が少し気になるが、彼女が可愛いのでよしとする。


近くのコンビニでおにぎりやお茶などを買い、そのまま二人で海に向かった。

「海だーーー!!!」

こちらも何度も来ているはずなのだが、今日の彼女は一層テンションが高い。
コンビニの袋を手に持ったまま、浜辺に向かって走り出した。

「転ぶなよー」

軽く呼びかけ、僕はゆっくり歩く。
彼女の背中を見ながら、まだ高い位置にある太陽に照らされる海を眺めた。
ここだけは、いつも変わらないな。

変化しない存在は、僕にとっては救いだった。
めまぐるしく変化していくこの世界で、いつまでも変わらない姿で僕らを迎えてくれる。
いつのまにか、海は僕らの癒しスポットになっていたのだ。

「つめたっ」

海のそばにしゃがんでいた彼女が突然大きな声で海から手を引く。

「冬なんだから、当たり前だろ」

至極当然のことを突っ込みながら、懐から取り出したミニタオルを渡す。

「ありがと…ってこれ私のじゃん」
「この前の忘れ物」

そりゃそうだ。男が普段からミニタオルなど持ち歩かない。
…少なくとも僕は。
このミニタオルは、2週間ほど前に彼女が泊まりにきたときの忘れ物である。

「あーそっか、ありがとね」

彼女も思い出したのか、控えめに微笑み受け取る。
少し、照れているように見えた。

実を言うと、僕もそのときのことを思い出すと少し恥ずかしかったりする。
あの日、彼女が泊まりにくるまでは二人とも忙しく、数ヶ月間会えない日が続いたため
お互い人肌恋しく、だいぶ燃え上がってしまったのだった。
あのときほど余裕のなかったときは、他にないと思う。

今更になって思い出し、少し顔が熱い。

「沙月」
「なぁに?陽へ…」

言い終わる前に、口を塞いだ。

周りには、誰もいない。
冬の冷たい風と静かに波打つ海の中で、僕と彼女の体温だけが真夏の日差しのように熱かった。

顔を離すと、驚きを浮かべた表情で彼女は僕を見ていた。

「今日の陽平は、ほんとに積極的だね」
「たまにはいいだろ?」

意地悪に笑ってやると、彼女は可笑しそうに笑った。

「いつもそうだったらいいのに」

空腹だったことも忘れしばらく談笑していると、彼女がおにぎりの存在に気付いたようで声を漏らした。

「おにぎり…忘れてた」
「今から食べるか」

時刻はもう16時を回っていたが、一応昼食として食べるとしよう。
水族館を出た時間が既に14時を越えていたので、仕方ないと思うことにした。

「綺麗…」

夕日に染まる海を見て、彼女はうっとりと呟く。
冬の日照時間は短いので、17時にはもう暗くなってしまう。

気持ち急いでおにぎりを頬張り、お茶で流し込んだ。

「このあとどうする?」
「うーん、特に決まってないけど…」

ここまででいつものデートコースは終えてしまったので、あとはどちらでもいい。
僕としてはホテルでもいいが、することがなくなっていきなりホテルというのは、いくらなんでも無骨すぎる。
直球すぎる誘いは躊躇ってしまう僕は案外チキンなのだった。

「今日は寒いし、大人しく帰っとくね」
「そうか」

言われてみれば、今日の気温はいつもより低めだと天気予報のお姉さんも言っていた気がする。
そして今は海にいるから、なおさら寒い。

「送ってくよ」
「ありがと」

食べ終えたおにぎりのゴミを袋にしまい、駅に向かって歩き始める。
空いた手で、彼女の手を握る。

「わっ!あったか!」
「つめた!」

彼女の手は、保冷剤でも仕込んでいるかのように冷えていた。
寒かったからなのだろうが、やはり女性は冷え性の人が多いのだろうか。

「うっ…」

僕の手が温かいと知るや否や、彼女はビニール袋を持ったまま両手で僕の右手を包む。
ひんやり、というよりもはや氷のような冷えた手に、僕は声を上げてしまった。

「陽平の手あったかーい」

無邪気に僕の手を握るので、何となく拒めずそのまま駅まで歩いた。

ゴミ箱に袋を捨ててからしばらく待って、アナウンスが響いた。
まもなく電車が駅に到着するらしい。

すっかり暗くなったホームでぼんやりと時刻表を見ていると、ぽすっ、と肩に頭がのしかかってきた。

「眠くなったか?」
「…、うん」

いつもに増して歯切れの悪い答えに、今日は少し調子が良くなかったのかな、と海に連れ出してしまったことを反省した。
本当に眠いだけという可能性も彼女なら十分に有り得るが。

電車では念のため彼女だけでもと空いている席に座らせ、僕は彼女の前に立った。

「沙月、大丈夫か?」
「大丈夫、だよ」

少し虚ろな彼女に声をかけ、風邪でも引いてしまったのだろうかと心配になってきた。
3つ目の駅で降り、改札を出ると僕は彼女を送ろうと少し先を歩いた。

「ここで、大丈夫だよ」

駅の北口を出たところで、彼女は僕にしか聞こえないくらいの声量で呼び止めた。

「え、でもお前体調悪いんじゃないの?」
「大丈夫だよ」

僕の問いにも、いつも通りの笑顔で答える。
その笑顔が、声色が、あまりにもいつも通りだったから。

僕は、何も言えなくなってしまった。

「大丈夫なら、いいけど…」
「うん」
「じゃあ」

そのまま再び駅に向かおうとしたが、やはり気になってしまい、既に歩き出した彼女の背に話しかける。

「沙月!…その、何かあったら、言えよ」

足を止めて、こちらを向いた。
丁度街灯を越えたあたりにいたため、暗くて表情はよく見えなかった。

だが、その表情は、安堵と、少しの不安が混ざっているように、見えた。
微かな、恐怖を感じているように、思えた。

彼女は小さく頷くと、再び歩いた。

僕は彼女の背中を見送りながら、形容しがたい感情に包まれていた。




彼女から再び連絡があったのは、それから1週間後のことだった。

限りなく深い青

私ね、病気なんだって。



あの日以来初めて来た彼女からの連絡の冒頭は、こんなものだったと思う。

「ごめんね?ずっと言えなくて」

いつもの調子で、彼女は笑う。

何故、言ってくれなかったんだ、と。
そう伝えることが出来たなら、何も考えずにその焦燥をぶつけることができたなら。

きっと、僕らは、



「私ね、あと1ヶ月で死んじゃうんだって」



呼吸が、止まるかと思った。
頭が、真っ白になって、電話越しに聞こえる声にあまりにも変化がなくて。

ほんの、1週間前、彼女は、何かに怯えているように見えた。
気のせい、だったのかもしれないが、確かに見えたのだ。

「今ね、入院してて、病院の電話から掛けてるんだけど…よかったら来てほしいな」

彼女は、303号室に入院している、と言った。
僕と会って話したい、と。そう言った。

「すぐに行く」

僕は、そう返事をして電話を切った。
携帯電話を握りしめ、呆然と立ったまま動くことができなかった。


「今まで、あいつの何を見てきたんだ…」


勝手に、口から零れ落ちた言葉。
小さく、掠れた声で。

それでも、僕しかいないこの部屋では十分すぎるほどに響き渡っていて。

頭の中が、ぐちゃぐちゃになって。
さっきまで聞こえていた彼女の声も、思い出せないまま。

僕は、少し重い足取りで家を出た。

ここから病院までは、そう遠くない。
海の近くにある、この辺りでは有名な大病院だ。

微かに香る潮風に、1週間前の記憶がよぎる。

この香りの中で、僕と彼女は。
瞳を閉じて、キスをして。
他愛のない話で、盛り上がって。

僕は、彼女を、ちゃんと愛せていたのだろうか。

記憶と思考だけがぐるぐると頭の中を巡り、感情はまだ追いつけないでいた。
今、泣けと言われても多分涙は出ない。

だって、涙は、悲しいときに出るものであって。嬉しいときに出るものであって。感情が高ぶったときに出るものであって。
今は、そのどれにも当てはまらない。
何が何だか全く分かっていないし、まだ分かりたくなかった。

いや、違うな。

分かってしまうのが、怖かった。

彼女に会って、話をして。
医者に会って、話を聞いて。
1ヶ月間、思い出を作って。
別れを惜んで。

なんて、僕には、出来ない。
出来るわけが、ない。


ゆっくりと瞬きをして、軽く息を吸う。

小さく聞こえる波の音を聞きながら、病院へ入る。
受付を済ませ、303号室の前に立つ。

「浅野沙月様」

よく知る名前が書かれた表札に、少し胸が苦しくなる。
一瞬立ち止まって、ノックをする。

「どうぞー」

聞き慣れた声が聞こえた。
僕はその声に安堵して、扉を開く。

「1週間ぶり」

優しげな笑顔で、こちらを向く彼女は。
前よりもほんの少し、痩せたように見えた。

病室のベッドの上で、上半身を起こして、ただこちらを見つめるのだった。

「…ごめんね?本当はもっと早く言うつもりだったんだけど」
「…ああ」



「来てくれて、嬉しいよ」



その言葉を聞いて。
もう、今までの葛藤なんてすべて忘れてしまって。

「…、陽平?」

気がつけば、彼女は僕の腕の中にいた。
確かに、ここにいるのに。
何故だろう。

彼女が、ずっとずっと遠くに行ってしまったような、
とても、とても不安定なものに縋っているような。

言い知れぬ不安に襲われて、もう一度彼女を強く抱きしめてみても。

「どうしたの?陽平」

彼女が何でもない顔で笑う度に、どんどんここから離れてしまうような気がして。
手の届かないものに必死に手を伸ばすような、奇妙な感覚に囚われる。

「今日は甘えん坊さんだね」

嬉しそうに、微笑む。

僕には、分からない。
彼女がここまで隠してきたもの、すべて。

「…好きだ」
「え?」

だから、僕は隠さない。
だって、僕は昔から嘘が下手だったし、
この気持ちも、全部僕と彼女だけのものだから。

「…私も、好きだよ」
「好きだ」
「うん」
「好きだ」
「…うん」

「…ごめんな」

彼女は、目を見開いて、僕を見た。

「もっと、早く気付いてやりたかった」

重く口から這い出た本心に、表情がどんどん曇っていくのが自覚できた。
体から喉の奥に悲しみが込み上げてきて、それを抑えようとすると声が震えていく。
僕は、嘘が下手だから。

彼女には、僕のことなどお見通しなのだろう。
顔が見えなくても、声色で全て分かってしまうのだろう。

「ねえ、陽平、覚えてる?」

僕の返事を待たずに、彼女は話し始めた。

「前に、言ってくれたよね」

いくつか心当たりがあった気がするが、正解が分からない。

「何かあったら言えよ、って」

ああ。それか。

「私ね、それがすごく、嬉しかった。
 でも、やっぱりなかなか言えなくて。ごめんね」
「…」

言葉が、うまく出てこない。
そもそも、何故彼女が謝るのだ。

何故、そんなに申し訳なさそうな顔をしているんだ。

胸が、苦しい。
これから先、彼女はずっと抱えているものを隠していくのだろうか。
僕に悟られないように、悲しみに暮れないように。

出来るものなら、それを僕に分けて欲しい。
けれど、もし、彼女がそれを望んでいないのなら。


僕に出来ることは、彼女を受け入れることだけだった。

「…陽平?」

右手を彼女の頬に伸ばし、髪を搔き上げる。
僕は、笑っていた。
とても、とても穏やかに微笑んでいたと思う。

彼女は少し伏し目がちになって、その両手で僕の手を包む。
だんだん項垂れていく彼女を、僕はずっと見つめていた。

髪の間から見えた口元は、僕の知る彼女の表情とは違っていた。
何かに耐えているように、唇を噛み締めて。
触れていなければ気付けないほど微かに、その身体は震えていた。


まるで、祈るように。


僕の手に、救いを求めているかのように。
彼女は僕の手に縋り続けた。

僕は、迷っていた。

言葉をかけるべきか。
静寂を保つべきか。

一向に顔を上げようとしない彼女の旋毛を見ながら、
僕はしばらく考え込んでいた。

こつん、と。
彼女の頭が、僕の胸元に寄り掛かってきた。

空いている左手で彼女の頭をぽんぽん、と撫でる。
ふいに上を向いた彼女と視線が交わった。

「…ふふっ」

彼女は、笑っていた。
いつも見せる、無邪気で幼さの残る笑顔だった。


何故か、それが、とても悲しかった。


僕は一体、彼女にどうしてほしいのだろう。
自身に向けられる問いに、答えは出ない。

それから、彼女と少し話をして、
医者の説明を聞いて、
病院を後にした。

まだ、頭の中はぐちゃぐちゃだ。
混乱、している。
走馬灯のように駆ける記憶の中で気に留まったのは、
自分自身に対して出た問いだった。

今は、あまり難しいことは考えられない。
けれど、彼女の笑顔を見ることが辛かった。

僕は、彼女の涙が見たかったのだろうか。
彼女の笑顔の下に眠る感情が、知りたかったのだろうか。

彼女とは、付き合ってもう2年になる。
それでも、まだ僕は彼女の心に触れたことはない。

嘗て、彼女を「へらへらしている」と評した人物がいた。
もしかして、彼女はいつもそうやって自身を演じていたのだろうか。

一人ですべてを背負い込んで、笑顔で蓋をして、
周りに、僕に悟られないように、感づかれないように。


そう考えていると何だか無性に寂しくなってしまって。
気が付けば、目の前に海があった。

柔らかな日差しに照らされてキラキラと光る海を、ただ無心で見ていた。
広い砂浜の向こうで光る海が、とても遠くに感じる。

優しい風に揺られるこの髪も、
日差しを弱く反射させる眼鏡も、
海だけを見つめるこの瞳も。

この問いの答えだけは、教えてくれない。

青の彼方

青の彼方

恋人が余命1ヶ月と知り、彼女の心に触れようとする主人公が 彼女の死後も永遠に答えの出ない自問自答を繰り返し、彼女を追いかけ続ける話。 (※2015/9/27加筆) 小説家になろう様でも投稿させて頂いております。( http://ncode.syosetu.com/n9292cw/1/)

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2015-09-22

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  1. 不確かな永遠
  2. 限りなく深い青