エキストラバージンオイル

英旺


ちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくち

するするする

ぱちん 。

可愛い可愛い私のニク。
腕に浮かび上がるは赤い糸。

まるで血管が皮膚の表面を通っているようだ。
口角が制御できない。

と、同時に、憎き価値の無い球体が目に入る。
黄色くぷっくりと膨らみ、私の汚い過去を孕んでいる。
赤こそが美しい。
それに比べてなんて醜い色だろうか。
黄色。
尿、吐瀉物、膿、膿、膿、膿膿膿膿。

ぷしゅっぷしゅっぐりぐりぐちゃあ!

こうしてようやく私は安堵する。

そう。私の悦び。私の生き甲斐。
それは身体を真っ赤な糸で縫うこと。
赤い模様に私の身体は侵され、この世のモノではない美しい存在になれるのだ。
と、同時に糸はいずれ千切れる。
そこに残るのは膿んだ傷跡。
すると私は反射的に膿を潰し抉り赤に戻すのだ。

この創作活動は、いつからだろう。
始まっていた。

それをひたすら繰り返す日々。
身体中に浮かび上がる刺繍、と、水玉模様。
あなた方には悪い病気に見えるのだろうか。
眉をひそめ、口元がねじ切れるくらい歪めるのだろうか。
ふふ、もっと嫌って。気持ち悪がっておくれ。
その表情に私は燃え上がり、創作活動に一層力が入るのだ。

ただ、その表情を私が拝見できることはない。
あなた方は私を閉じ込めるからだ。
1日1回、此処にニクが運ばれる。
私はそれを喰らい生命活動を続け、創作活動を続けられているのだ。
私を生かしているのは、私のファンで投資してくれているのかもしれない。


さて、
今日は新しい作品を作るのだ。
もう、糸が解けないようにしっかり太く深くダイナミックに、、想像しただけでヨダレと涙が止まらない。
私は出刃庖丁の柄に大縄をしっかりと結び付け、玉結びをこなす。
私の少し華奢な脚より大縄のほうが太いから脚には、縫えない。

まず最初の一手は膣穴からだ。
最初の一手。ぐちゅぐちゅ。
最初の一手。ずるずる。
最初の一手。ぐぎがごごごウマウマウマァアア

あ”


私はイッてしまった。



遺作となった遺体。

子宮からは、黄色い水仙が揺れていた。

エキストラバージンオイル

エキストラバージンオイル

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-20

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