不可逆性
不可逆性
僕らにとって変わることは絶対で、
一点の時間にたたずむことは許されず、
何かを変えることよりも、
何かに変わることを強いられている。
青年にとっての短い時間は、
彼の人生にとっての多くを意味し、
この変化から少しでも逃れようと、
過ぎ去った時間の中へと逃げ込んでゆく。
だが、僕らがどれほど同じ場所にいると、
今も同じ場所で世界を見ていると、
声を張り上げ叫んだとしても、
それは道行く人々に掻き消されてしまう。
あの時と同じ言葉を語ることは、
今日の僕らには許されてはいない。
もし僕らが時間を欺くならば、、
いつかの君が涙を流しながら言うだろう、
あなたはわたしを忘れてしまったのか、と。
不可逆性