偽りの騎士

探し求めるは 囚われの君
僕を呼ぶ声も遠く届かず

足元に咲くは極紅の薔薇
まるで眠る姫君の唇のよう

罪に染まりし僕の手は
嘘に塗れた純潔で

いくら手を伸ばしても
真実へは程遠い

探し求めるは閉ざされの部屋
僕を呼ぶ声も遂に途絶えた

口元に溢れる真珠の百合
それは踊る姫君の瞳のよう

罪を消せぬ僕の腕は
孤独に埋もれし暗黒で

いくら道を踏んでも
偽りが僕を奪い去る

嗚呼 君よ
僕を忘れないでおくれ

偽りの騎士

偽りの騎士

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-20

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