はじめまして

はじめまして、の瞬間に
私はきみに恋をして
その輪郭を
熱く瞼に焼き付けた。

夏が来て、
一歩踏み出した私たちは
とてもよく笑い、泣いて
お互いのことを知ったの。

私はきみが好きだった。
きみが好きだったの。

秋の訪れとともに
聴こえた不協和音は、
本当はもっと早くに
生まれていたものだったのかもしれない。

冬が来る頃には、
この街に私の姿はなく、
きみはその理由なんて気にとめず
傾いた世界を颯爽と歩いていく。

さよならは要らない。

現実はいつも、
受け入れる勇気が出るまで
待ってはくれないから。

はじめまして

はじめまして

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-17

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