はじめまして
はじめまして、の瞬間に
私はきみに恋をして
その輪郭を
熱く瞼に焼き付けた。
夏が来て、
一歩踏み出した私たちは
とてもよく笑い、泣いて
お互いのことを知ったの。
私はきみが好きだった。
きみが好きだったの。
秋の訪れとともに
聴こえた不協和音は、
本当はもっと早くに
生まれていたものだったのかもしれない。
冬が来る頃には、
この街に私の姿はなく、
きみはその理由なんて気にとめず
傾いた世界を颯爽と歩いていく。
さよならは要らない。
現実はいつも、
受け入れる勇気が出るまで
待ってはくれないから。
はじめまして