魔界戦士 井筒重彦

夏秋冬

井筒重彦42歳は、仕事帰りに焼き鳥屋で一杯やっている時に突如魔界に召喚された。魔法陣の中央にビールのグラス片手に立ちつくす井筒を見て、取り囲んでいた戦士や精霊たちは溜息をついたが女僧侶だけは落ち着いていて状況説明を始めた。
「私たちはアースレス国の第一軍団、あなたを呼び寄せたのは今行われているフーマンチュー国との戦争に加勢して頂くためです。あなたはどんな特殊能力をお持ちですか?」

そう言われてもなんのこっちゃであったが、己のスキルを披露するべき時なのだと了解した井筒は、すぐさま状況を把握してこう言った。
「パワー・ポイントとエクセルならかなり使えます」

井筒の能力は魔界どころか会社以外では1ミリも役に立たなかったので、爆弾を抱えて敵の戦士に体当たりする役目を仰せつかり、華々しく散ったのでした。

魔界戦士 井筒重彦

魔界戦士 井筒重彦

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-13

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