音
ガシャンッ
体が震えだすんだ
指もちゃんと動かなくなるんだ
口さえ、動かなくなるんだ
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やめてくれ
そんな言葉は、真っ暗闇の中に消えていく
少し柵を越えて、見下ろしてみれば
平和な真顔
まるで、鳩でも飛んでいるようだ
でも、
ここから一つ扉を開けてしまえば
体さえ動かなくなる
指が震えだす
声が出なくなる
音楽プレーヤー片手に
布団にもぐり
現実じゃない なんてくだらない妄想
「美樹、引っ越すよ」
割れた食器を片付けながら
私に優しく声をかける母は
道端で鳴いている、子犬
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どうしたの?
“どうもしていないのは当たり前”
そんなコト決めた人、一度握手してほしいわ
同じ台詞を繰り返す
同じ年に生まれて、
私よりも遥かに要領の悪い
“人間様”に
なんでもないような顔して
1日経っても震える指を
ひざの上に隠す
家庭科の時間
たまにあるような、
3分後にはすぐ忘れてしまうような
『日常』
笑うフリ
すぐ忘れるフリ
手など震えていないもの
全部嘘よ
そんな顔して
心に“震え”を押し込めるの
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「楽しかった?」
満面の笑みで楽しそうな子供の役
お母さんも嬉そうじゃない
ふふっ
私は、誰にも負けないの
「美樹? このお茶碗、割れちゃった?」
音