底が見えない暗い水の中で僕達は進み続けた。

夢を
掴もうとしていたかもしれない。

希望を
捨てずにいたいだけだったかもしれない。

今更そんな綺麗事を並べただけで
先へ進めない事は分かっていたはずなのに。

それでも
前へ進もうとした。

悲しい話。

諦めればもうこんな苦しみから逃れられるのに。

たすけて。

もう遅い。

永遠に進み続けていた水の中で
底が見え始めた。

手を伸ばすと久しぶりに感じる地面がある。

良く分からない感情が胸を押し潰す。

辺りを見回した。

僕は初めから1人だった。

水の中はとてもしょっぱかった。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-11

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