(超)短編 好きな人。
なんかおもいつきで書いたよ。一途なの。
「私ね、ずっと好きな人がいるんだ。なんかね、いつから好きなのかもわからないくらい。」
「ずっとって…。お前まだはたちだろ。」
いつも、私の家でしか会おうとしない男友達を今日は無理やり、いい感じに暗くて、雰囲気のあるレストランに連れ出すことに成功した。
彼は、アサリのはいったスパゲティを食べる手を止めた。私はミートスパゲティとサラダを注文したが、まだサラダにしか手をつけていない。正直、今は味を感じている余裕がない。
「うーん…。会ったときから好きな気もするし、最近好きって気づいた気もするし…。」
「ふーん。」
彼はとてつもなく興味なさそうに、しっかりと発音した。
「私はさ、大学生だし、休みもあるんだけど、その人社会人なんだ。しかも広島だよ。私東京でしょ?無理じゃん。」
「まあ、それは、仕方ないね。」
よくわかってくれるようだ。
「でもね、その人前から全然会えなかったからさ、もう、会えないのに慣れてね。前なんかどうにかして会えないかなーとか思ってたけど、そんな発想もなくなっちゃった。」
「そんな人諦めろよ。お前普通よりは可愛いんだから、ちょっと頑張れば彼氏くらいできるよ。」
私の大学の女友達と同じことを言われた。その友達はもっと大きい声で飽きれたようにいうんだけど。
「私もそれは考えたよ。でも、どうにもね、魅力的な人に会えないからさ。あ、やっぱり彼じゃないとダメなんだ、ってなって。どうしよっか、これ。」
「…俺にそんなこと言うなよ。」
なんか恥ずかしくなってきた。
「でも、実際あったら照れて照れ隠ししちゃうの!」
「お前、素直そうなのに、意外だな。」
「なんか恥ずかしいんだよね。」
「まあ、それはわからないでもない。」
「毎回さ、今日こそは好きって言おう、って思うのに、会ったら言えなくて、別れた後に、今日も言えなかったって反省してる。」
「何してんの。」
うん、私も毎回なにしてんだろって思ってる。
「だから今日はがんばってるよ。」
「ん?何、どういう意味?」
「だから、その、もう、ばか。」
(超)短編 好きな人。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。ひまなんですか?(ここまでテンプレ)
長編が最後までかける気がしなかったので、もう書きたい場面だけかいちゃおう、と超短編になりました。ほんと1ページくらいしかないですね、これ。
まあ、いろいろ想像して楽しんでもらえると嬉しいです。では。