散る雨のひかり

 アスファルトに翳り
 雨の音
       ザー、ザー、と
 閉じ込められたせかいを
 愛している視線

 薔薇の刺が刺さって痛い
 まだ音のする、強く
 散りばめられていく雫
  轟々と濡らす
 届かないのか

 しかし、夕立、
 隠されていたひかりが顔をだす
 刺さった痕から膨れ上がる赤
 もう感じず、まだ降っている雨を眺めて

 セピア色のひかりが少しずつ
 姿を現すのに、
       保存されない水滴たち

 七色に消えるひかり
 まだ反射して
 途絶えた音のせかい
 蒸発、やがて

       そして

散る雨のひかり

散る雨のひかり

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-06

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