散る雨のひかり
アスファルトに翳り
雨の音
ザー、ザー、と
閉じ込められたせかいを
愛している視線
薔薇の刺が刺さって痛い
まだ音のする、強く
散りばめられていく雫
轟々と濡らす
届かないのか
しかし、夕立、
隠されていたひかりが顔をだす
刺さった痕から膨れ上がる赤
もう感じず、まだ降っている雨を眺めて
セピア色のひかりが少しずつ
姿を現すのに、
保存されない水滴たち
七色に消えるひかり
まだ反射して
途絶えた音のせかい
蒸発、やがて
そして
散る雨のひかり