パーティーの招待状【3】
がさごそ、がさごそ。
動きを止めたミミをハナは、不思議そうに見つめます。どうしたのでしょう?二人が騒ぐのを止めたため、家の中が静まり返り…ませんでした。
ガサゴソ、ガサゴソ。
なぜか、音が聞こえます。この家には今、二階にいるハナとミミしかいないはずです。なのに一体、どういうことでしょう?誰もいないはずの一階から、まるで何かを探すような音がするのです。
「ひょっとして、ドロボウ…?」
少し恐くなったハナが、ぼそっとつぶやいた瞬間!
「ワンワン!」
隣から、大きな鳴き声が上がりハナが振り向くよりも早く、隣から風が起こりました。ミミが階段を駆け下りていったのです!驚いたハナはしばらく唖然としてしまいました。
がさごそ、ガサゴソ。
その間も、不気味な音は聞こえます。
ガサゴソ、がさご…ワンワンッッ!…バタバタンッ!!
「!!!」
下からミミの威嚇するような声が聞こえ、ハナはハッとしました。恐らく一階を騒がせていた犯人を見つけたのでしょう。なにやら、駆け回っているような音もしだしました。
「行かなきゃ…、ミミ待ってて!!」
もし本当に泥棒なら、ミミだけでは危険です。とはいえ、まだ小さな子供であるハナが加勢に行っても同じことでしょうし、下手をすればより危険なことにも成りかねません。しかし、ハナの中には仲良しのミミを見捨てて逃げるような選択肢はありませんでした。
ハナは震えながらも、一階へと続く階段を下り始めました。
パーティーの招待状【3】