雨だれ・もう一つの家庭

雨だれ・もう一つの家庭

もう一つの家庭

さて 生みの母の電話番号がわかりました。
夜 ドキドキしながら電話をしました。 「利子」です。 母は「あら 久しぶりじゃん」と
軽いのり 頭だか心が ガ~――――ン と固まりました。
想像もしていない言葉が返ってきました。
電話をするかどうか と随分迷ったのが 何だったのだろうと・・・
で 母が住んでいる 家に行く約束をして電話を切りました。
母には男の子が二人いるそうです。 私の弟になるのですね
小さい時に分かれた子供から電話があったのですから とりみだして
泣くのかな なんて・・・思っていました。
主人はそう思っていたみたいですが こんなものだと思います。
ま しめっぽくなくていいかな・・・
その後 主人と一緒に生みの母に会いに行きました。
挨拶をして家の中へ その時もよくテレビで何十年ぶりで母に会わせ
るという番組がありましたが
あんなの うそだ と思うほど 私たちはお互い しら~~としてました。
実際はこんなものなのではないでしょうか
私自身は子供の頃から母親という存在がなかったので 今そういわれても
へんな感じ感はありました。
母はなんだかバタバタと家の中を行ったり来たりで落ち着きません。
そのうちいろいろ話をしているうちに「私の誕生日を覚えいる?」とたづねたら
「あれ~~春くらいだったかね」と 「じゃ 私の誕生日をしってるけ」と母親が
聞いてきました。
私は謄本を見ていたので誕生日はわかっていましたが なんで私のを知っているのか
と聞く母親をどうかしていると思ってしまいました。
私がいう事ではないのかも知れませんが 小さい時に別れた子が目の前にいるのに
感動とか優しさとか感じられませんでした。
ま 私は 最初から母親を探して会いたいと思っていなかったので こんなものかだと
思って諦めました。
主人はその間も目をウルウルさせていました。
主人が「母親に会っておいたほうがいいよ」と言ったけれど「会わせて悪いことをしちゃったね」
と誤っていました。
また次は息子達に会わせたいという事で会う約束をして帰ってきました。

雨だれ・もう一つの家庭

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  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-05

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