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めでたしめでたしで終わるお姫様より
ずっと子供でいられるからネバーランドに行きたかった

いくつになっても覚えられない
正しいさよならの仕方は
手を振ったそこからぜんぶ溢れていくみたいだった

さみしいふたりが好きなことをして
ただ生きていられた時間は
わずかなひずみから壊れてしまうということに僕は気づかなかったんだよ

さよならさよならさようなら

数えた絶望の分だけ
君の好きな星がひとつ消える

右から二番目の星がどれのことなのか
僕はいまもわからないままだ

もしかしたらそこにはもう
あるいははじめからなにも
なかったのかもしれないね

さよならさよならさようなら
君の声が遠くで響くから
僕はネバーランドで生きたかった

150904

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-05

Copyrighted
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