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ことばを忘れたんだ
たしか明日の話

いつもの角を曲がったら
自転車とリュックが置き去りにされていた

通り過ぎて行く軽自動車は
たぶん気づいていない

ふとした瞬間に
ネガティブな物語を練り上げて
ドラマみたいな事件を願う

本当に起きたらきっと
くだらないたらればを並べて
逃げる方法を探すのに

つまらない人生を
さらにつまらなくして
だれかのことばで詩をかいた

かわいい女の子なんて
この世界には存在しないんだよ

お腹の中に血と苛立ちを溜め込んで
便秘と戦っている
いつだって負け戦
それでもステージに立つから女の子は可愛くなる

ことばを忘れたんだ
たしか明日の話

だからいま私のために詩を書いている
あるいはあの日のレコードのために



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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-05

Copyrighted
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