チャコールフィルター

僕の知らないその世界を、
美しく見るために。

君というフィルター越しの景色は、
どれも新鮮で、甘く、ほろ苦くて、
僕は飽きることを知らない。

そのタバコのような中毒性で、
僕を誘惑し次の一挙手一投足を今か今かと待ち構えさせる。

それまで何の意味も成さなかった記号のような出来事は、
君のフィルタリングによって突如として価値を生じる。

隣りでくゆらせるその煙を、僕は、いつまでも見ていたい。

チャコールフィルター

チャコールフィルター

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2015-09-02

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