悠然

悠然

悠然


彼が恥ずかしがるのは、
彼が心華やぐのは、
彼が悲しみ嘆くのは、
全てあの人が関わるところ。

僕が見た彼はすべからくして、そう。

あとは食い入るほどに
目を見張るほどに
身を乗り出すほどに
彼がちらとでも動くことはなく、
腹に憎悪が蠕動しても
その蒼眉が緩むこと微塵もなし。

瞳は魂の鏡
外界に光を求めることなし。
ただあの人を前にでもしない限りは。

悠然

「彼」が想う、「あの人」。

悠然

瞳は魂の鏡。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-02

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted