心身分離

心身分離

今まで拒んできたコウイを
全てそのまま受け入れたら
私の中で何かが弾けたかのように
まるで鎖が千切れたかのように
泥沼に呑まれるまま溺れて
肉欲にまみれ
彼を求め
小さく身体を震わせ喘ぐ

言葉は彼を愛でるのに
視線は彼を放り出す

愛の言葉は紡ぐのに
唇は彼に嫌悪を抱く

身体は彼を求めるのに
心が彼を拒絶する

身体はどんどん満たされて
快楽の波に溺れて沈んで
それでも心は空虚なままで

彼を見る目は甘く蕩け
彼を見つめる瞳は虚ろに

心と身体
ふたつをひとつの容れ物に入れられなくなった私の
どちらが先に消えるのだろう

もしも身体が残ったならば
彼と一緒にいられるけれど

もしも心が遺ったならば
私は此処にはいられない

いつまで経っても空っぽな心を
誰が満たしてくれますか?

心身分離

心と身体の間には見えない壁があるのです。

ありがとうございました。

心身分離

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-01

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