雨だれ・火事

雨だれ・火事

火事

ある日、道路を隔てた前の家(材木屋) から出火し大きな
火の子が私の家の方に飛んできました。
慌てたおばあちゃんは 私を背中におぶい 風呂敷包みを持ち
家から飛び出しました。
私も怖くて怖くて おばあちゃんにしがみつきました。
必至で火のない方へと逃げました。 そして・・・
結婚から数年して 昔の火事の時と同じような状況になりました。
私たちの住んでいる家の窓ガラスに真っ赤な火が揺れて
映っています。ライター工場からの出火です。
バンバンとすごい音 足はがくがく 頭は真っ白・・
どうしていいかわからず 私は2階の洋服ダンスから ネクタイ
とか洋服を唐草模様の風呂敷に包みを肩からかついで階段を
降りようとしましたが 風呂敷包みが大きくてつかえてしまいました。
そうこうしているうちに主人が「そんなものもたなくていいから早く逃げろ」と
言い 近所の火元の家に手伝いに行ってしまいました。
今思うと どうしてネクタイと洋服を持ち出そうと思ったのでしょうか
いまとなっては笑い話です。
こういう時のためにある程度 精神は鍛えなくてはダメだなと思いました。
どんな時でも平常心でられる人はすばらしいと思います。

雨だれ・火事

雨だれ・火事

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-01

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