雨だれ・別れ・・・

雨だれ・別れ・・・

別れ・・・

私は中学生になりました。
泣き虫 私は少し大人なりました。おばあちゃんは叔父ちゃんと東京で
暮らすことになりました。
父親が「いつ東京に行くのか」 と 訪ねてきました。
私は「わからない」 と 「ここに残るのか」 と 父親が言った時 「この子はわしが連れていく」
と おばあちゃんが言いました。
今、思うとここに残していくのは不憫だと思ったのでしょう。
心の中では 冗談じゃない まま母とくらすのはごめんだ それでなくても
まま母に子供ができました。私がここに残ってもまま子の面倒
なんかこの親がみてくれるわけがないと思いました。
こんなまま母でも自分の子供はとても可愛がっています。

私は東京でおばあちゃんと おじちゃん(父親の弟) との新しい生活がはじまりました。
おばあちゃんの娘の家に居候です。
私は大勢の親戚がいて結構楽しんでいました。
さて、これからの新しい中学校に行くのにどうするか・・・
そうだ、近所に同い年の女の子がいるみたいなので学校に行く前に
挨拶にいきました。
今で言うネゴシエーションとかをしてきました。
そんなちょっぴり大人っぽい子でした。
中学時代も親がいなくても いじめにあう事もなく自分なりに楽しい
生活を送りました。
その反面、ものたりなさも感じていましたがそれはしょうがない事です。
一人で考えていつも消化ています。
私が東京に行くとき 父親が駅まで見送りにきました。
なにも言葉は交わさなかったのですが、気の小さい父親は寂しそうでした。
私も父親とはいい思い出はなかったのですが汽車が走り出した途端に私は
涙がこぼれました。 父親も泣いている様に見えました。
私は東京に着くまで田んぼの中に建っている宣伝用看板を大きな声で
ずっと読んでいました。

それから父親とは何年も会う事はありませんでした。

雨だれ・別れ・・・

雨だれ・別れ・・・

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-01

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