雨だれ・鈍感力

雨だれ・鈍感力

鈍感力

そう・・・小学校低学年の母の日の事、母のいる人は赤いカーネーション
母のいない人は白いカーネーションを学校からもらいました。
この時代はみんな学校はこういう事をしているのか あとになって思い
主人に言ったところ「東京ではそんなのないよ」と ひどい事する学校だね・・・
と 言われました。私も白いカーネーションをもらいましたが 鈍い子供
だったせいか何も感じませんでした。今の時代ではおおごとですよね!!!
今は何に対してもうるさ過ぎるという傾向はありますけれど・・・
小さい時からずっと親なしだったので(親らしい事はしない父親だったけれど)
それが当たり前の様になっていました。片親だからといって いじめにあった事も
ありませんでした。
でも私はそういう事を気にしていないふうをよそうっていた気がします。
いつも友達が家に遊びに来て「お母さん いないの」と言われるのがすごく嫌でした。
小学校の運動会は皆 親がお弁当をもってきて 一緒に校庭で食べるのです。
こういう時が一番嫌でした。 寂しさでいっぱいになります。
今でもその光景は目に焼き付いています。
おばあちゃんと二人でおいなりさんを食べている光景が・・・
そういえば 高校生の時の事、入学試験を受けに来た生徒の
世話を私たち上級生もお手伝いしました。
お昼時間に家族の方がお弁当を持ってきて 入試に来た子供に渡すのですが
そのシーンを見て思わず涙がこぼれました。父親が新聞紙にくるんだ
大きなおにぎりを子供にわたしていました。
女子生徒は嬉しそうな顔をしていました。
今でもこのシーンを思い出すと涙がこぼれます。
昔の自分を見ているかのように・・・
ある意味 私は鈍感力のある子供で良かったと思います。
生きていくのはこのくらいがいいのかもしれません。・・・

雨だれ・鈍感力

雨だれ・鈍感力

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-01

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