雨だれ

雨だれ

一人雨だれは悲しくて・・・・ 
私の大好きな太田裕美さんの歌です。
私は子供の頃から心の中にいつも雨だれがポツリと落ちてゆきます。
還暦を過ぎた今でも雨だれの量が多くなったり少なくなったりを繰り返しながら
落ちてゆきます。
 
親戚のお姉さんが 「私はあなたのような境遇だと生きていけないわ」 と言っていた事を思い出しました。
私はそんなに変な境遇? そのくらいしか思いませんでした。
だんだん大人になるにつれてなんだか可愛そうな境遇_なんだと
思ってはみたもののこの事には触れてはいけないと子供心に思い
 だれにも私の境遇の事は聞きませんでした。 
 私はおばあちゃんと一緒に田舎町に住んでいます。
お父さんは道路隔てた斜め向こう側に住んでいます。

新しいお母さんが今日来るという事で私はとても嬉しくはしゃいでいます。
数日して、友達を呼んで新しいお母さんのところに遊びに行きました。
とても自慢げにワイワイ ガヤガヤ はしゃいでいます。 と その時、新しいお母さんの怒り..声がしましす。

私はドキッとしました。 私が洗面台で濡れた靴下を絞っていたのですが 
床にお水がこぼれたとかで・・・・ 友達もビックリして帰ってしまいました。
一人残された私は新しいお母さんに嫌われてしまったと・・・・ 泣いていました。
その夜、もう寝ていたおばあちゃんと私のところへ お父さんが怒鳴り込んできました。
俺の和江になにした・・・・和江がえらく怒っているぞと 凄いけんまくです。
おばあちゃんも泣いています。私は「おばあちゃんのいう事なんでもきくからおばあちゃん泣かないで」
と言いながら私も ワーワー泣いています。
ここから新しいお母さんではなくて私の呼び方が まま母になりました。
後で、おばあちゃんが言っていましたが まま母がきてからどのくらいたっているのかわかりませんが
お父さんの家で子供の泣き声がずっとするので近所の方が様子を見に行ったら おしいれで布団に
くるまれた私がいたそうです。ホントに危機一髪で見つけてくれました。
私の両親は私が3歳くらいの時に別れたそうです。
私はおじいちゃんにとても可愛がられたそうです。親戚のお兄さんから聞きましたが
よくデパートの屋上に私を連れて行って遊ばせていたようです。
おじいちゃんが亡くなる寸前におばあちゃんに 「この子を宜しく頼む」 と言って死んでいったそうです。
おじいちゃんがもっともっと生きていてくれたら私の人生は変わっていたかも知れません

雨だれ

雨だれ

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-01

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