MASAPIN

強い殺人願望を持つ男の話です。
気持ち悪がらず、最後までお付き合い下さい。

2012年4月4日

以下に記すのは、あるブログサイトに投稿された文章である。

人が人を殺してはいけないのはなぜか?
この疑問に対して俺は納得のいく答えを持っていない。
この疑問に対する正しい答えなんて、この世に存在しないのではないだろか?
殺人を犯した者に対し罰則が与えられると法律によって定められているが、これは単に世間の秩序・平安を維持するための抑止力である。
もし、法律が存在しなければ、殺人事件なんて日常茶飯事に起こるのではないだろうか?

老若男女、誰しも心の底には殺人への欲求が眠っていると俺は思っている。
確信していると言っても過言ではない。
その証拠の一つが日本各地に点在する城跡にあると思う。
天守閣の周りは、どこもかしこも人を殺す仕掛けでいっぱいではないか。
これらの仕掛けを作った本人たちは、いったいどんな気持ちで作ったのだろうか?
罪悪に悩まされて作ったとは絶対に言わせない。
ライト兄弟が飛行機を作ったとき、自分たちの飛行機が空を飛ぶのを想像し、胸を躍らせたのは間違いない。
人を殺す仕掛けを作った奴らも、仕掛けで人が死ぬのを想像して興奮したに決まっているのだ。

昔の人でもこうだったのだから、俺が殺人に強く魅力を感じてしまったことは仕方のないことであり、人間の性と言い換えることもできる。
しかしだからと言って、俺はいきなり人を殺すほど馬鹿じゃないし、野蛮人でもない。
今の法律は良くできていて、下手をすればシャレでなく自分の首を締めることになる。
それくらいの想像力は持ち合わせているつもりだ。

だから、うんと我慢してきたわけだ。
これまですっと。

2012年4月14日

以下に記すのは、あるブログサイトに投稿された文章である。

家に帰ると、玄関のポストにくしゃくしゃに丸められた紙袋が入っていた。
変だな…と取り出してみると、紙袋ごしに何かぐにゃぐにゃした感触があるんだよ。
中を覗いてみると、猫の死骸が入っていやがった。
やれやれと思ったよ。
欲求を自制できない人間なんて、動物以下じゃないか。
必死に殺しへの欲求を抑えてる俺のほうがよっぽどまともじゃないか。

俺は猫の死骸を公園にでも捨てに行こうと紙袋を持ち上げた。
まさにそのとき、雷で打たれたような感覚とともに、強力なデジャヴに襲われた。

俺はこれに似た状況を知っている?
ゆっくり部屋の中を見回していき、猫の死骸が入っていたポストに視線がいったとき、その感覚の原因を理解した。
むかし、今と同じ状況を描写した小説で読んだことがあるのだ。
そして同時に誰が猫を殺したのかわかってしまった。

なんてことはない。
猫を殺したのは俺だったんだ。

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  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • ホラー
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
更新日
登録日
2012-04-03

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  1. 2012年4月4日
  2. 2012年4月14日