そこには光が

だまっている
いえない
心が透けてみえるから

ほんとうのこと
ほんとうの気持を
いえない

ほんとうの心をしられたくない
それより
自分がつくりあげた
自分がイメージした
他人がみたらきっといいねといってくれるような
別の自分を演出する

それが自分に代わって
この世界で振る舞ってもらって
ほんとうの自分は
自分以外には絶対に知られたくない

その大事なものは
自分の奥にかくして
他人に侵されないよう
守り維持する

洞窟の奥で灯るロウソクの火のように
かすかな空気の流れにゆれはするが
嵐のときも地がゆれても
ずっと内側を照らしている

外は暗い
でも
そこにはいつも光がある

そこには光が

そこには光が

世の中、だんだんおかしくなって暗いはなしが多いですが、そうでないこともありそうです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-08-29

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted