過ぎていく時間の中で
過ぎていく時間の中で、止まっているのは僕だけだろうか
過ぎていく時間の中で 1話
君のその感情も全て壊しちゃえば楽になるのかな?
いつもどおり過ぎていく時間。
でも、僕の中の時間は止まったままだった。
僕はごく普通の学生で、ごく普通の人間だった。
名前は神城 颯(しんじょう はやて)
歳は16の普通の男子高校生だ。
特に好きなこともなく、朝起きて学校に行き、帰宅して寝るというなんともつまらない人生を送っていたと思う。
今思えば、その生活でも良かったかもしれない。
僕が変わってしまったのは、ある出会いからだった。
それは、高校の廊下でだった。
休み時間でトイレに行こうかなーなんて思って向かっている最中だった。
「ねぇ、君さ、もうちょっと明るい人生送ろうとか思わないの?」
「・・・は?」
何言ってんだこいつ。
初対面でいきなり何言ってんだ。
いきなり話しかけてきたのは僕より先輩であろうお姉さんだった。
「君さ、友達も居ないし、部活にも入ってないんでしょ?いじめられてんのかなーって思ったけどそれも違うし。」
いや、だから何。
別にあなたに関係ないでしょ。
そう言いたかった。でも先輩だしここは我慢した方が良いよな・・・。
「彼女いるのかなーとも思ったよ?でも居ないし・・・休み時間だって本読んでるだけじゃん!せっかくの学校生活でなにしてんの!?」
いや・・・だからあなたに言われたくないんです。
そもそも初対面でこんなこと言うか?普通。
仲のいい友達とかに言われるならわかるよ?
でも初対面の先輩になんでこんなこと言われなきゃいけないんですか。
僕が驚きを隠せずにいるとその先輩は僕の額をコツンと叩く。
「ほーら、聞いてる?せっかくお姉さんがアドバイスしてあげてるのにー・・・。」
いや、ごめんなさい。
今のところなんのアドバイスももらってません。
むしろ悪口言われているようにしか思えません。
「・・・僕の勝手でしょう?放っておいてください。」
ため息がちにそう僕は言い返す。
お願いです、僕にもう構わないでください。
「・・・ちょっと来て。」
そう言い、僕の腕を引っ張り連れていこうとする。
・・・ここで反論したら周りの生徒だってこっちを見ると思う。
下手したら先生に説教をくらわされるかもしれない。
そう思いしぶしぶながらも先輩についていく。
・・・腕を引っ張られながら。
過ぎていく時間の中で 2話
「あの・・・っ!」
僕は腕を引っ張られながら歩くが、気が付けばもう少しで休み時間が終わる。
サボるわけにもいかないので先輩に声をかける。
ちなみに先輩は僕の腕を掴んだまま相変わらず無言だ。
「・・・なに?」
先輩は少し不機嫌そうだった。
「あの・・・もう少しで休み時間が終わるんですけど・・・。」
遠まわしに腕を離せと言っていることがわかったのか、
先輩は目を細め、こちらを睨んでいるように見える。
「君は真面目だねぇ・・・。普通の男子なら喜んでサボると思うんだけど。」
「授業は受けるのが当たり前でしょう?サボったりなんかしたら先生が・・・っ!?」
急に唇が塞がれる。
ー先輩の唇で・・・ー
「・・・さっきからちょっとうるさい・・・。」
・・・唇で!?
もしかして・・・キス・・・された・・・?
「あ、顔真っ赤だよ?大丈夫?」
そう意地悪そうに言う先輩の目をまっすぐに見ることができなくて。
僕は顔を背ける。
「・・・いい加減離してくださいよ・・・」
恥ずかしくなってそうつぶやくと、先輩はまた腕を引っ張りはじめた。
「ほら、もっと君に教えてあげるっ!一人じゃわからないたくさんの感情。私がたくさん教えてあげる!」
笑いながら言う先輩に少しドキっとする。
胸が締め付けられるような、一瞬、そんな感覚があった。・・・気がする。
・・・確かに、一人じゃわからないこともたくさんある。
一人じゃわからない、味わえない感情も、先輩と一緒だったらわかるのかな?味わえるのかな?
少し僕は微笑みながら僕は先輩についていった。
過ぎていく時間の中で
初めて小説書きました、春風です。
ちょっと話がごちゃごちゃかもしれません。
そして急展開です。
暖かく見守ってくださると嬉しいです。