四コマの宇宙
第一話一コマ目。ベレー帽を被った二等身の男。手には身長と同じくらいのペンを持っている。吹き出し「こ、ここはどこだ?」
第一話二コマ目。男は周囲を見回す。吹き出し「いつの間にか変なところに来てしまった。早く仕事場に戻らないと、締切りに間に合わなくなってしまう」
第一話三コマ目。突然、男の目の前に魔物が現れる。魔物の吹き出し「ようこそ、四コマ宇宙へ」
第一話四コマ目。男の吹き出し「四コマ宇宙?」魔物の吹き出し「そうとも。おまえが新聞の片隅に毎日描いている世界は、実在の宇宙なのだ」コマの隅に、つづく、の文字。
第二話一コマ目。男「何だって!っていうか、話がつづいたら四コマじゃなくね?」
第二話二コマ目。魔物「これでよいのだ。一話一話が起承転結しながらつづくという、最近流行のスタイルだ」
第二話三コマ目。男「そんなことより、ぼくを元の世界に戻してくれ」魔物「そうはゆかぬ。おまえはわしを倒さぬ限り、ここからは出られんのだ」
第二話四コマ目。男「バカな。ただの漫画家であるぼくに、魔物が倒せるわけがない」つづく。
第三話一コマ目。大きく口を開けた魔物「ならば、おとなしくわしに喰われるがいい!」
第三話二コマ目。怯える男「ああ、どうしよう。ぼくには何も武器がない」
第三話三コマ目。ハッとする男「そうだ。ぼくにはこれがあるじゃないか!」
第三話四コマ目。男は持っていたペンで、様々な武器を描いた。つづく。
第四話一コマ目。嘲笑う魔物「ファッファッファッ。そんな武器がわしに通用するものか」
第四話二コマ目。男が描いた武器を、噛み砕き、踏み潰し、へし折る魔物。焦る男「どうしたらいいんだ。このままではやられてしまう」
第四話三コマ目。男「アッ、そうか!」そう言いながらペンを捨てる。
第四話四コマ目。魔物にホワイトを塗る男。魔物「ううむ、その手があっ」おわり。
四コマの宇宙