星の降る夜

星の降る夜

星の降る夜


星の降る夜
こんぺいとうが、ばらまかれた。
サクサク踏み潰して 愉快に素敵な子守唄。
ふくろうのハモりでどこまでも調和して リリリと可愛く奏でる鈴虫の声。
風は泳いで髪を揺らした。


プラネット
プラネタリウム
ミルキィロード
そしてキミ

夜空に似せたきらめく宝石は 道のあちこちに転がされていて、
透き通る飴玉のように 控えめながらも上手に優しく輝いている。
「天の川は世界にふたつ」
空と、足元の宝石の道。
夕方の赤らむ緊張感は静かに宥められ
体を包み込む宇宙空間が、いま
全てを支配していた。


繋いだ手を するりと離す。
甘い香りのするキミの魅力が少し遠くに感じてしまった。
だけどキミは気にもかけずに、楽器のようにテケテケと駆け足で草原をめぐりめぐる。
月を仰いで跳ねながら
その仄かな淡い明かりに彩られ
または歌い
または踊る。

流麗な輪郭にはあどけなさが残っているけど
喜びに満ちるキミの「いま」は、たとえ遥かなる何ものといえども
・・・・・・それを侵すことは許されなくて。


キミは泡のように昇っていった。
取り残された僕、ただひとり。
虚しかろうと気をかけてくれたのだろうか、光が湧くように溢れ出で
心をくすぐるように誘惑していき、
切なさも 虚しさも 涙さえも、奪い去っては儚く溶けた。

チョコレートは温かくして、ゆるゆる溶ける。
僕は追憶に、キミとの世界に、
目を閉じて
そっと鍵を落として眠った。

星の降る夜

星の降る夜

夏の夜空の永遠。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-08-18

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