海へ

たまには恋愛の詩も

恋みくじを引いたら

海へ

恋みくじを引いたら
「待ち合わせは海のそばがいいでしょう」と書いてあった。

だから、家から2時間かかる港の街に行こうかと思ったのだけど

電車に乗ってしまったらもう二度と家に戻れないような
台所の匂いも
リビングにあるモノたちも
ベランダの鉢植えも
置いていっていまいそうになったから

家から一歩も出ないように
靴を履かないように
ただ窓の外に、海につながる空を見ている

夕陽が落ちて
あなたがあきらめて帰ってしまうまで

海へ

海へ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-08-17

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