戦国華恋〜第1戦〜
今回は『時空』を舞台にした作品です‼︎
登場人物の性格等は、私の想像です…(笑)
かの有名な戦国武将たちが登場します(≧∇≦)
出会いは時と共に
平成26年 8月10日
この日私は、不思議な夢を見た。
ある有名な武将が、私に言ったのだ。
『この世界での生活には慣れたか?』
と。
…この世界…。
この世界ではもう17年生きている。
そんな不思議な夢を見た私は、しばらく布団から出られなかった。
体が、動かなかったのだ。
金縛りのような苦しさではない…。
だけど快楽でもない…。
不思議な感覚だった。
「麗愛〜‼︎朝ご飯出来てるわよー‼︎いつまで寝てるのー‼︎」
「起きてるよー‼︎…ま、物音立ててないから仕方ないけど。」
「それと、美羽ちゃん来てるわよー」
「美羽が?どしたんだろ…こんな朝早くに美羽が外に出るなんて(笑)」
私はゆっくりと階段を降り、玄関へ向かう。
パジャマのまま、サンダルを履いて玄関を開けた。
そこには、着物姿の苅部 美羽が。
私の一番の親友で、いつも優しくて面白い。
が、すぐ自慢するし、人と自分を比べたがる。
打ち上げとかの盛り上げ役として人気者なんだよね(笑)
「ど、どしたの、美羽。」
「どしたの、じゃないでしょ!今日は朝から夏祭り行こーって約束してたじゃん!忘れたとは言わせないよ?」
「………あぁーー!!夏祭りね!そーだったね(笑)あ、すぐ着物に着替えるね!」
慌てて玄関を閉め、私は考えた。
『夏祭りなんて…約束してたっけ?』
まぁ私は人より物忘れが多いから、多分忘れてるんだな。
記憶力のいい美羽があー言ってるんだから間違いないよ、うん。
私は自分の部屋のクローゼットから着物を出し、お母さんに説明して
帯を締めてもらう。
着物に合う髪型にしてもらい、カバンを持つ。
鏡で全身チェックして、玄関を開けた。
大声で、『いってきまーす‼︎』と声をかけて歩き出す。
「着物、似合ってんねー。花柄か♡」
「美羽は花火柄か♡似合ってるじゃん」
「ありがと♪」
たわいもない話をしながら、美羽についていく。
ここ…西陽公園の近くの裏道だ…‼︎
「西陽祭り…か。」
「え?いま?(笑)」
「悪かったね…」
「いーよいーよ、私と違って記憶力ないんだから仕方ないって‼︎」
出たよまた自慢。
もううんざりなんだけどな。
いつもはニコニコして我慢してたけど
もう限界。
「あのさ、自慢ばっかしないでくれる?嫌味にしか聞こえないんですけど。」
「は?自慢?嫌味?なにそれ。あんまり笑ってないから、笑わそうとしてあげたんじゃん。なのになんなのその態度。」
「よく言うよ。第一本当に祭りなんて約束してたの?ってか、覚えてないくらいだからあんまり楽しみにはしてなかったんだよねー。わたし。」
「っ????いい加減にしてよッ‼︎じゃあ誘わなきゃよかったし‼︎別の人誘えばよかった!あーあ、アンタなんかと来るんじゃなかったよ‼︎」
「いーよ、今から他の子誘えば⁉︎私だってアンタと行くつもりなんてこれっぽっちもないから‼︎」
私たちはプイッと背中を向けると、それぞれ違う方向へ歩き出した。
他の子を誘おう。
せっかく着物に着替えてるんだから。
そう思って友達の家へ歩き出した時。
まるで今の私の心を表すように、雨が降り出した。
あっという間に大雨になり、私は急いで家へ向かう。
たぶん今頃美羽も……って、アイツのことなんてどーでもいいの‼︎
私は慌てて、足を滑らせた。
コケた直後、雷がなる。
稲妻が見えて、恐怖で動けなかった。
「大丈夫?」
私の前に、綺麗な細長い指をした手が差し出された。
ゆっくり顔を見ると…。
「…だ…誰ですか…?」
見知らぬ男性が、傘もささず私の顔をじっと見下ろしていた。
「名前はいいから、早く立ったら?」
無表情で、素っ気ない言葉。
私は、助けてくれた王子様〜なんて舞い上がる気持ちを封じ込め、
「大丈夫です、1人で立てます。」
地面に手をつき『よいしょ』と立ち上がる。
体は泥だらけでびしょ濡れだし、心も豪雨状態。
はぁ…とため息をつき顔を上げると、目の前には男性のどアップが‼︎‼︎
…よく見ると、イケメン…?
って、そんなこと考えてどーすんの私‼︎
「なんですか」
「…いや、キミ、面白いね。」
クスッと笑うその顔は、さっきの素っ気ない表情からは予想もできない、優しい笑顔。
傷ついた心も体も癒してくれそうな、そんな笑顔。
冷たい雨に打たれる私を心の底からあっためてくれた。
「………」
なのにお礼をも言えず、うつむいたまま立ち尽くす私。
なんて言えばいいのかわからない。
美羽のことや、さっきの素っ気ない態度。
いろんなことを思い出す。
「キミ、泣いてる?」
いつのまにか無表情に戻った彼は、私の顔を覗き込む。
私は慌ててそっぽを向き首を振った。
初対面の男性相手に泣き顔なんて見られたくないよっ…。
「泣いてません…失礼します」
「待って」
立ち去ろうとした私の手首をガシッと掴む彼。
振り払おうとしても、男の人の力に敵うはずもなくて。
力強く握り締められていると、次第に痛みだす。
「痛いっ…離して…っ‼︎」
「離したら、逃げるでしょ?」
「っ…⁉︎」
なんなのこの人⁉︎
逃げるって…そんな言い方しなくてもいいじゃない!
私はただ家に帰りたいだけなのに…。
「離してください‼︎家に帰らせて‼︎」
「あ…ごめん。せめて名前だ「失礼します‼︎」
何かいいかけた彼も無視して、足早にその場を後にした。
次の日。
昨日の雨はまだ続いている。
あの後、帰ってきてそのままベッドに潜り込んだから着物のままだ。
「うっ…頭痛い…」
とりあえず着替えよう、と、私服に着替える。
すぐにベッドに横にならなければ我慢できないほど、頭痛がひどかった。
あー…昨日の雨のせいだ…。
???side
「泣いてません、失礼します」
そう言い放って雨の中に消えた少女。
着物姿で地面に座り込んで泣いてた…。
祭りが中止になったのがそんなに嫌だったのか?
俺がちょうど散歩している時、突然の大雨に見舞われた。
そこで出会ったんだ、不思議な少女と。
俺は特殊な能力を持っている。
人の未来を見る能力だ。
さっきの少女は…後々大変なことに巻き込まれる。
なんだろう…これは…戦争?
着物を着た男たちが…刀を振り回している。
「………大丈夫かな、あの子」
まぁ、初対面で見ず知らずの女のことなんて、俺は知ったこっちゃない。
…あ、言い遅れた。
俺は、蒼井 類。
一応、高校生…だが、家の都合で通ってはいない。
俺は割と裕福な家庭で生まれ育ち、中学を卒業した後、父親に「高校には行かなくとも生活はできる」と言われ、今に至る。
まぁ、普通ならありえない事なんだが、俺の家では普通のことだ。
さっきの女、名前を聞こうとしたら、俺の言葉を遮って帰ったよな。
「類…⁉︎」
後ろから聞き覚えのある声。
これは…
「あ、美鈴。」
「さっきの女、誰?」
「知らね。そこで座り込んでたから声掛けただけ。」
「やけに楽しそうに笑ってたじゃない。」
「別に楽しそうになんて笑ってねぇよ。面白かっただけだ。」
俺の彼女、明堂 美鈴。
彼女、と言っても、俺の方はとっくに愛は冷めてるんだが。
こいつは、大手企業の社長の娘、つまり社長令嬢で、
美鈴の父親から、結婚相手は俺だと押し付けられている。
さすがの俺でも逆らえない…から、仕方なく付き合っているが
美鈴はどうやら俺に本気らしい。
「なぁ美鈴」
「何?類。」
「お前、さ、他に好きな奴とかいねぇの…」
「どうしたの?私は類しか見てないわ。」
抱きついてこようとする美鈴を避けながら、
「そうか」
とだけ返答する。
こいつに他に好きな奴が出来れば…
俺はこいつから解放される。
「類、あなた何かおかしいわ。さっきの女?」
「なんでもねぇよ。」
「さっきの女に何か言われたのね?わかった。類、大丈夫よ。私がなんとかしてあげる…」
クソっ…何なんだこいつは‼︎
彼氏の言うことも信用できないってのか‼︎
「なんでもねぇっつってんだろ‼︎」
「類…?」
「っ…マジでなんでもねぇから。」
俺は自分の気持ちを落ち着かせるかのように歩き出した。
美鈴も慌てて付いてくる。
頼むから、1人にしてくれよ…。
「1人にしてくれ」
「嫌よ。私はあなたから離れない。」
「頼むよ」
「じゃあ本当のことを言って‼︎」
「は?」
「だって、今日の類何かおかしいんですもの。1人になんてできるわけないわ。」
「…ちょっと、頭痛くてよ…家に帰って休むから。」
「あら、それは大変‼︎私が看病を…」
「1人の方がゆっくり休めるんだ、頼む。」
「……わかったわ。じゃあまたね♡」
「おう…」
俺なりに必死に演技をした…。
とりあえずは騙せたが、この演技がどこまで持つか。
まぁ、それはいい。
にしても…なんでだ。
頭からあの女が離れない…。
赤の他人、ましてやさっき初めて存在を知ったばかりの女のことを
なんで俺が気にしてんだ…。
俺はこの時まだ知らなかった。
その女の本当の正体を。
そして、とんでもないことに巻き込まれることを。
戦国華恋〜第1戦〜
第1戦––––第1話––––はいかがでしたか…?
上手くかけてましたかね?笑
次回も頑張りますよ(。ゝ∀・)b
皆様にお楽しみいただけるような作品に仕上げていきます୧⃛(๑⃙⃘⁼̴̀꒳⁼̴́๑⃙⃘)୨⃛
お楽しみに(σロ-ロ)✧