Studio Life 『OZ』

4/6 Studio Life 公演 『OZ』 アステールプラザ

原作=樹なつみ
脚本・演出=倉田淳

CAST
1019=笠原浩夫
フィリシア=及川健
武藤 洋(漢字が出ない)=山本芳樹
ネイト=高根研一
リオン=曾世海児
1024=姜 暢雄
ヴィアンカ=青木隆敏
ダントリー博士=藤原啓児

パンフを読むと演出の倉田淳さんというのは男ばかりの劇団に有って唯一の女性だそうだ(笑)
『OZ』は漫画か単行本で出版されているらしいのだが、私は見るのも聞くのも初めての作品なのでパンフの言葉をそのまま拝借して・・・。

STORY
『2021年。
第3次世界大戦の終結から31年経てもなお、
地球は戦乱と混迷を極めていた。
そんな中一つの伝説が囁かれる・・・
巨大シェルター〔オズ〕。
それは有る頭脳集団が大戦前に造った、
飢えも戦いもない最先端の科学都市だと。
その夢の都オズへの道先案内として、
機械人間1019(テン・ナインティーン)は
天才少女フィリシアの前に現れる―――
オズの主、リオンの指令によって。
彼女は愛する兄リオンのもとへ。
英才の傭兵、武藤とともに旅立つ。』

・・・・と、このように書かれてある。

舞台には四角な水色の紙のようなものを張られた柱が4本立っていて、その奥には同じ様な色をした丸で氷山のように見える移動する壁がある。
中央に一段高い四角なひな壇があって其処にスポットライトが当たると中央に1019(テン・ナインティーン=笠原浩夫)が蹲り、何か言ったが・・・・意味が良く判らない(^^)

これはSF(サイエンス・ファンタジー)の舞台、この1019も人造人間という訳だ。見た目は全く普通の人間だが中味はマシーンで、組み込まれたプログラムによって動いている。革新めざましい現代のロボットも技術が進めば、やがてはこのような擬似人間のような姿になるのだろうか・・・?

彼を作ったのは「OZ」の支配者リオンで、彼の妹でやはり科学者でもあるフィリシアを「OZ」に案内する為に派遣される。このフィリシアの及川健さんを始めてみたのは「ダブリンの鐘つきカビ人間」の時、本当に女性かと思ったのだが、今回のフィリシァはピンクの服に三つ編みのお下げ髪だが明らかに男性とわかる(笑) 旅の途中で争いに巻き込まれた時助けてくれた傭兵ムトーを雇う事にしてこれに1019が加わるのだがこの時の1019の笠原さんの格闘がスゴイ!  ワイヤーで吊り上げられて舞台を宙に移動するし格闘振りもとてもスマートでカッコイイ!・・・、のだがバックの黒の中に銀色に光るワイヤーがしっかり見えたし、その格闘の技にもチラッと段取りが見えた(^^)。でもすらりとした長身に全身黒の衣装が良く似合って、仮装する為とフィリシァに渡された真っ赤な衣装の中のマフラーだけを首に巻いて、これが中々良い!その姿や雰囲気がまるで山口祐一郎さんそのもの(^^♪  
もっとも山口さんはこれ程スリムでもないし敏捷でもないけど・・・(笑) 

だがこの1019にはもう一つのプログラムが入っていて、それはリオンやフィリシァの母のパメラ・・・、そしてこのパメラが現れる時の1019は狂暴なマシーンになる。しかも彼のマシーンはもう古くてこの仕事が終われば破壊される運命にあると、改良された女性のマシーンである1024(テン・ツエンティーフォー)がムトーの忠実な部下であるネイトに言う。そしてリオンには逆らうなと・・・。この1024の姜暢雄さんは背は高く軍服を着ているのに女性らしいんだな。この1024はネイトと恋仲になるが、ネイトは3人の邪魔になると判断して1024を抱き寄せたままマシーンを破壊する武器・・・?(青っぽく光る懐中電灯のようなもの)で死んでしまう。

ムトーとフィリシァがようやく辿りついた「OZ」に居た兄リオンは狂信的な科学者になっていてしかも此処は核兵器工場(?)と化していた。争いの末リオンを倒したと思ったら、それはリオンのサイバノイドで彼は12歳のリオンになっている・・・、この辺りが良く判らない(笑) この12歳のリオンが顔つきも仕草も大人のリオンにそっくりで(笑)大人のリオンも子供のリオンも何かの拍子に首をコクッと歪める(ビートたけしさんがよくやっている・・・)のがかなり不気味。戦いの中ムトーもやられ19(この辺りになるとテン・ナインティーンではなくて19と呼ばれるようになっている)の腕の中で彼にキスをして死んでしまう。 ムトーはフィリシァだけではなく19も愛していたの・・・??(笑) 
『OZ』は男性ばかりの舞台だが、結構ラヴシーンが有って、フィリシァとムトー、ネイトと1024、そしてムトーと1019・・・、それぞれのキスシーンが有るが、ムトーとフィリシァを除けば後はマシーン相手のキスシーン・・・、サイバノイドにも愛は有るんだ!(笑)  
だが物語りに嵌っていたからか、意外に違和感はなかった。

月日が経ちフィリシァが再び「OZ」を訪れると其処には死んだと思ったムトーがガラスの箱の中で眠っていた。やがてムトーが目を覚ましフィリシァの指差す方を見ると、其処には黄金色に輝く一面の麦畑が広がっている。嘗てそれが平和の象徴だと1019に話したとおりの景色だった! 
背景いっぱいに金色の麦畑が広がった舞台はとても綺麗だった!
「これは1019の髪の色だ・・・」とムトーは呟く。

物語は人物とか場所などが判りにくい場面も有ったがビジュアル的に面白く退屈しない舞台だった。なによりサイバノイドでありながら次第に人の心を持つようになった1019の心の切なさがとても胸を打った。Studio Lifeの舞台は初めてだし役者さんも及川さんを除いて皆始めてみる人ばかり、名前も笠原浩夫さんを知っていただけ、という有様だったけど、そんな事は全く関係なく感動した舞台だったが最後まで笠原さんが山口さんに見えたのは参ったなぁ?(笑) オペラグラスを持って来るんだった!

この広島公演が今回の大楽ということで、恐らく全国のフアンの方達が集まって居たのだろうと思う。
カーテンコールでは代表の方とダントリー博士役の方のご挨拶があったのだが、会場はスタオベ状態で皆手にカメラを構えて写真を撮っていたので私も慣れない携帯で写真を撮るのに一生懸命で、ろくに話が耳に入らなかったのが残念だったけど、広島へは又来たい!と言われていたのはしっかり聞きとめた(^^♪ だが哀しいかな操作に慣れないカメラで撮った写真は全員が小さく小さく映っていて誰が誰やら全然判らない・・・(涙)

Studio Life 『OZ』

Studio Life 『OZ』

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-01-08

Copyrighted
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