墜ちない紙飛行機Part8 

そんな繰り返しもあとわずか
そろそろ片付けないと間に合わない
まだまだ続く紙飛行機の街は
たっぷりと時間をかけて
見送ってくれた

そうしている間に一時の居場所が
新しい思い出になっていた
狭い部屋に届いた紙飛行機からの
メールを読んで
皆のことを確認した

その狭い部屋から外に出ると
小さな公園がいくつもあった
日なたの暖かさの中で紙飛行機の
意外と寒さに強い様子を
思い起こさせた

そのような暮らしの休日の日課は
次の居場所を探すこと
割と環境がいいのは紙飛行機が
以前選んだらしい
静かで少し古い町並み

そんなこんなでこの場所にも慣れ
それももう終わりと思っていたころ
たった一行の紙飛行機からの
短い知らせが事実だけを
分かり易く伝えた

そういうことがあるのだろうか
ついこの前飛び立ったあの街から
自ら離れて行った紙飛行機が
再びこの街へやって来る
とにかくそういうことらしい

墜ちない紙飛行機Part8 

墜ちない紙飛行機Part8 

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-01

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