墜ちない紙飛行機Part7 

それほどとは思っていなかった
片付ける物もない自分だけの部屋
ここに来る前に紙飛行機が
詰め込んでくれた
空っぽではないメモリー

そんなこと気付かなかった
電気代がいらない冷蔵庫
皆に話すと紙飛行機も
これは笑うしかないと
考えたようだ

それまでいた人たちから今までのことを
次々と説明を受ける
寒い季節に紙飛行機は
車の窓から吹き込む風に
飛ばされないよう気をつけた

その頃の楽しみと言えば
昨日までの場所に飛んでいくこと
地上に降りると紙飛行機から
皆が集まっていると
教えてもらった

それから次はどうしようか
思い出の町で思い出を追加する
もっと時間をかけて紙飛行機は
見たり触れたり
休憩したんだろう

そんなには忙しくない日々
昨日までの仲間も大変らしい
まだ始まったばかりと紙飛行機は
皆のようには
慌てずゆっくり

墜ちない紙飛行機Part7 

墜ちない紙飛行機Part7 

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-01

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