わからない
私の第二作品めの小説です。
こんな事、思った事、ありませんか?
私は、妹が嫌いだ。
小さいころは仲の良い姉妹だった。
でも、だんだん、崩れていった。
「お前さーさっさと片付けしろよブス」
妹が私に言う。
こんな事は日常茶飯事。
だからと言って、我慢できるわけでもない。
つらい、毎日。
私は吉川 舞衣。
妹は吉川 舞紀。
親も妹のそんな素顔に気づかないまま、私よりも妹を可愛がる。
誰にも相談できず、我慢するしかない、私。
妹なんて、私には必要ない。
妹がいなければ、私はもっと可愛がってもらえたはずなのに。
死ねばいいのに。
なんどそう思ったことか。
でも、
それが、本当になるなんて、思っていなかった。
・・・・
その日は突然やってきた。
私はいつものようにピアノ教室へ行き、帰り道に友達と話しながら帰っていた。
そのとき、急にケータイが鳴り出した。
・・・・・・妹の番号だ。
あまり出る気がしなかったものの、出なければまた文句を言われるのでしかたなく出た。
「もしもし」
「舞衣?!舞衣なの?!」
妹のケータイなのに、お母さんのヒステリックな声が聞こえる。
「どうしたのぉ?お母さん。そんなにあわてて」
私がやれやれといった風に聞くと、
「実はね、舞紀が、事故に遭って・・・。お父さんとお母さんはすぐに病院に駆けつけたんだけど・・・もう手遅れだったの・・・」
え?
お母さん、今なんて言った?
私の顔が青ざめていくのがわかった。
友達の美羅衣(みらい)は、
「どうしたの?!」
と駆け寄ってきた。
どういうこと・・・?
舞紀は・・・・・・・死んじゃったの・・・・?
これは夢?
私は顔をはたく。
痛い。
これは、夢なんかじゃないんだ。
「でね・・・・今夜がお通夜なの・・・・・」
私の願いは叶ってしまったの?
私の頬には、熱い涙が流れていた。
どうして泣いているの?
私は妹に、死んでほしいんじゃなかったの・・・・?
どうして死んでしまったの?
私が願ったから・・・・・?
いくら考えてもわからない。
わかるのは、ただ一つ。
わ た し の い も う と は 、 し ん で し ま っ た 。 だ か ら も う に ど と あ え な い
私の妹は、死んでしまった。
だから、もう二度と会えない。
私の頭には、それしか思うことは、なかった。
夜。
お通夜に、私は出席しなかった。
妹が、嫌いだから。
次の日、お葬式にも参加せず、私は学校へ行った。
美羅衣が話しかけてくれるが、答える気力はなかった。
いくら考えても、わからない。
学校から帰ってからも、考えた。
私は、妹が、嫌いだったんじゃ、ないの?
なのになんで、こんなに落ち込んでいるの?
お葬式にも行かず・・・・
夜、私は無意識のうちに、学校に来ていた。
私はふわふわとした気分のまま、屋上のフェンスに手をかけた。
舞紀に、会いに行こう。
そうすれば、なにかわかるはず。
そして私も、この世とおさらばできる。
なんだか、嬉しいな。
フェンスにかけた手を、放す。
おかあさん、おとうさん、また会おうね。
舞紀、待っててね。
この世、さようなら。
次の日の朝、学校で、一人の少女の遺体が発見された。
わからない
私も妹が嫌いなんです。
でも、たまに可愛いなって思うところもあります。
人間は死んでしまうと、もう二度と会えないのですから、私は「死ね」という言葉をあまり使いません。
みなさんも、そうすることをおすすめします。
話は変わりますが、舞衣は舞紀に会えたんでしょうかね?
読んでくださって、ありがとうございました。