幸せな孝也さんへ
希望を忘れた人に、
神の無償の愛があることを信じて
拝啓、
あなたが最近生きることに希望がないと
いっていると野口さんから聞きました。
今、そのあなたに
わたしから伝えうる限りのことを
伝えきれたら、わたしは幸せです。
あなたが生まれた時、
あなたは焼け野原の上でも、汚い納屋小屋でもない
きれいな、真っ白なシーツの上に
寝かされました。
そして、お母さんやお医者さん、看護婦さん、それ以上の多くの人たちは
あなたの生まれたての脆い命を
大切に、大切にして
護ってくださいました。
あなたは多くの人に誕生を祝われました。
この世界そのもの―、神様もあなたの存在を望まれました。
そんな幸せがあなたを今日まで
ずっと見守ってきました。
あなたは今日まで素晴らしいことをしてきました。
それは、努力です。
友達の輪に入ろうと頑張って、
ゲームのキャラクターのことを覚えようとしていたこと。
恋人を作ろうと、いろんな心理学の本を読んで
頭を悩ませていたこと。
その一つ一つの努力は
この世界にあなたが思っている以上に
影響を与えているのですよ。
わたしはあなたが苦労して、悲しんだり喜んだり
そんな傷つきながらも生きていくあなたに、
わたしの産んだ子が人間であることに、
幸せを感じていました。
わたし達はなにかに努力するために
生まれてきました。
それは自分の夢であったり、願いであったり・・・
この世の為になること、です。
もし、あなたが今漠然とした自分に
迷っているならば
自分の中に生きることが見出せないならば
人に、この世に 尽くしてみなさい。
あなたは、幸せでした。
いじめにあった時も、就職活動で断られ続けた時も
多くの人に陰口を言われた時も
それでもいつも、神様はあなたの存在をこの世に許されていました。無償の愛を注がれていました。
それはあなたがこの世界に必要だから、
この世の為に何かできること、しなければならないこと、
また努力せねばならないことがあるからではないでしょうか?
それを考えるのもまたそうだと思います。
あなたは頭もわるくないし、
性格だっていいものをたくさん恵んでもらっています。
素晴らしい人間を命に与えられています。
どうか、それを全部何かの為に使いきれるくらいの
仕事をあなたが見つけて
人の為に尽くす人になることを
わたしは心より
祈って止みません
今まで生きてくれた奇跡を
神に感謝して
わたしの愛する息子に
しあわせな孝也さんに
あなたの母より
幸せな孝也さんへ
どうか、
道なきところに道を、
希望なきところに希望を、
愛なきところに愛を。
パウロの御心に沿うことが出来ますように。