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大人になれなかった
だからコーヒーを飲んだ
ミルクをたっぷり入れて甘くして
あなたに笑われてもよかった
ゆるやかに衰退していって
こころだけが取り残されて
自分のこともわからないまま
いつか死ぬのだと思う
大人になれなかった
なのにネバーランドには行けなかった
ひとりよがりの寂しさで
あなたを突き放して
ひとりぼっちになって泣いて
コーヒーを飲んでいる
大人にはなりたくなかった
なにが大人なのかわからなかった
それでも確かに変わっていく味覚と
増えていく皺とハリを失っていく肌
あの本のサメみたいに
あなたはサメ?といいながら
笑うけど
私は確かにあの本のサメなんだ
内側から腐って
それでも前にしか進めない



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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-08-08

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