閑話休題

こころのまんなかに君がいる感じ
つまりそういうまんがみたいな本音

赤がすきだから君が好きなんじゃなくて
君が好きだから赤がすき

つまりそういうまぼろしみたいな恋

✱✱✱

わたしたちが忘れたあの夏の日のにおいを
想い出だけが覚えているということ

それを、そのことを、後悔と呼ぶなら。

わたしはせめてあの子の左耳のことだけは
いつか土に還っても覚えていたいと思う。

「姉妹」

✱✱✱

たしかな想い出は朝に溶けて
わたしはひとりコーヒーを飲んでいる

いつからあなたがいないことになれて
いつからあなたを想わなくなったのだろう

あんなにもやさしい想い出を忘れて
わたしはわたしをもういちど創り上げていく


「そうして、あなたを、忘れていく」

✱✱✱

あの頃、ゆるせなかったことを
いつの間にかゆるせるようになった

コーヒーもビールも
わたしの舌にはもう苦くない

✱✱✱

君の見ている世界が知りたかった
ただ何も言わずに眺めているだけで
終わっていく恋だったから

3秒だけ君になって
きみのせかいを知りたかった

✱✱✱✱✱✱

ひかる君のゆめを
一緒にみていたくて
本当はそれだけで
いつの間にか
離れてしまった心も
気づかれることない想いも
見ないふりして
爪先からだめになっていった
君にはなんの関係もない
星の数ほどあるうちの
たったひとつの恋

✱✱✱✱✱✱

閑話休題

閑話休題

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-08-08

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