白い部屋
想像したことが現実にする事が出来る少年と、想像の中でしがか生きれない少女。
そんな二人は、真っ白な部屋で出会った。
1日に、2ページ書いていきます。
僕の名前は、斎藤 はじめ。
どこにでも居る、普通の小学生六年生だ。
運動や勉強が出来る訳でもなく、クラスの中心的な人間でもない。
浮きもせず、沈みもしない存在。
でも、そんな僕には他の人と違うところがある。
思ったことや、考えてた事が本当にする事が、出来る力だ。
それは、五年生の終わりぐらいから、現れはじめた。
最初は、戸惑ったけど、今はこの力を楽しんでいる。
窓から、じりじりとした夏の太陽の光が、乱暴に入って来る。
九月でも、流石に日差しは強い。
僕は、無神経な太陽に、
「何、ギラギラしてんだよ。お前なんか、嫌いだよ」
と、言う思いを込めて睨む。
無神経と言えば、僕達の担任のタヌキもだ。
やたらデカイ声で話すし、授業は意味不明なのに、テストが多い。
今日も、タヌキの抜き打ちテストをするはずだった。
でも、タヌキが教室にくるなり倒れて、授業は自習になった。
そのため、クラスいつもの静さを失い、凄く五月蝿い。
今は、六時間目であと十分で、終わりを知らせるチャイムが鳴る。
あと、十分か......。だるいなぁ、十秒後にチャイムが鳴って、帰りの会もせずに帰りたいな。
そう思い、僕は心の中で数を数え始めた。
1...、2...3、4...56 、7 ...8 ..9、キン-コン、カン-コン
教室の所々から、「やったー!!」「今日、どこで遊ぶ?」などの、声が聞こえてくる。クラスの外に雪崩出る人の波。
僕は、それを見てため息を漏らす。
誰も、気付いてないんだ。時間が縮んだ事、帰りの会をしていない事に。僕のこの力は、誰にも気付かれない。
どんなに時間を進めたり、戻したりしてもだ。
でも、たった一人。
たった一人だけ、僕の力に気付いた人がいる。
僕も、クラスの皆と同じ様に校舎から出る。
高く青い空に太陽が、コンクリートの校舎と校庭の真ん中に居る僕に、照りつけてくる。
お前なんか、居なくなれば良いのに。
また、太陽を睨見付ける。
すると、どこかから大きな雲がやって来て、太陽を飲み込んでしまった。辺りは薄暗くなり、少し涼しく感じられる。
僕は、振り替えって校舎の外壁に、付いている大きな時計を見る。
「四時前か......。」
何かの呪文のように、呟く。
その時、激しい頭痛に襲われた。痛みは、頭の奥からで、余りの痛さに僕は、気絶してしまった。
頬に冷たいものを、感じて目が覚めた。
僕は、よろめきながら、立ち上がる。
また、頭の奥がズキンッと痛み、倒れそうになる。
足に力を入れ、しっかりと立つ。
そう言えば、どこなんだろう、ここ。
部屋みたいだけど、扉や窓はないなぁ......。
辺りを見回すが、何も無い。
白一色の世界だ。
「ここは、君の想像の中の世界だよ」
どこかから、声が聞こえた。
しかし、辺りには何も無い。
「ここだよ。君の上だよ」
僕は、恐る恐る上を、見た。
そこには、白くて長い髪の同い年女の子が、手を降っていた。
白い部屋