もう、会えないから。

たとえば、あなたともう一度


誰しもが、生まれてきた運命というものを考えてしまう

私はなぜ、生まれてきたのか。どうして、ここにあるというのだろうか。私は、何をすればいいのだろうかということを。

人は、人として。使命を持って生まれてきたのかもしれない

人は、人を 自由に導き出そうとしてしまうところがあるから。

昔からそうだった。私は、私であって、私ではない。

私は家族のために生まれてきたから。自分の将来なんて、もう決められていたから。

その概念から、抜け出すすべなんてなくて。私はいつも、弱虫だった。

決めることになれてなんていなかった。いつも誰かのせいにしていた。この世界から、飛び出してみたかった。

でも、大好きな人達を裏切ることなんて、したくなかったから。

だって、私は優しい人だから。

優しい 臆病 ねえ、どれが正しかったのかしら

あなたの愛を、あなたとの恋を、私は実らせたかった

もう一度なんて、もうないから。私も、もう若くないから


あの頃、私は幸せだなんて思わなかった

でも、今の私は本当にあの頃をなつかしく、愛おしく感じてしまう

好きなの。でも、もうだめなの。あの頃にすべてを戻して、もう一度、もう一度だけ。

仕事も 居場所も 全部捨てて あなたにしがみつけばよかったのよね。

もう、会えないから。

もう、会えないから。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 成人向け
更新日
登録日
2015-08-04

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