花火とかき氷

花火とかき氷

こよみはら乙葉

去年の夏、花火大会に一緒に行くと約束した、彼女と彼。
だが、彼女は待ち合わせの時間になっても来ることはなく、ただ一人虚しく帰ろうとする彼の目の前に、ある男の姿が現れる。
彼は、彼女にとってその男がなんなのか知らず、そのまま距離ができてしまう。
そして、自分にとって彼女とはなんなのか、と彼は思う。
その答えが出たのは、彼女がいなくなった後だった。
彼と彼女が繰り広げる、切ない物語。
彼がその答えを知ったとき、彼は何を彼女に伝える…?

あの日の花火大会


暑い。それはそうだ。
ついに僕の嫌いな夏がやって来たと思うと、何もしたくなるくらい気分が下がる。
何一ついいこともなく、ただただ暑い日が続く。
外を歩いている人を見てるだけで、うんざりだ。
それでも、夏休みがあるだけ僕は嬉しかった。
学校はなんとなくつまらないし、勉強は分からないし、ふらっと行って帰ってくる程度で、そこまで行きたいとも思ってなかったからだ。
大体、勉強が好きだなんて、どうしたらそう思えるのか教えて欲しい。
夏といえば、花火大会や、海、たくさんのイベントがある。
僕にとってはあまり関係のないことだったのだけれど、それはつい最近そうではなくなってしまった。
去年の夏、僕はある女の子と出会ってしまったことにより、花火大会とやらに参加することになってしまった。
町内で行われる小さなお祭りで、彼女が行きたいと騒ぎ立てるのに耐えられず、一緒に行くと言ってしまったのがきっかけだった。
待ち合わせの場所である、大きな木の下にあるベンチで、集合時間の午後六時頃腰をかけて彼女を待っていた。
一時間、二時間と待っていた。
その時彼女は来なかった。諦めて帰ろうとした時、見たこともない男と夏祭りの場所へ入っていったのを見てしまった。
別に、好きでもなかったし、彼氏でもないから怒る権利や、嫉妬することもないのだけど、その時はなんとなく悔しくて三週間くらい放置プレイをしてやった。
放置プレイをしてたからか、彼女は僕に寄ることもなくなり、ついには、今の今まで話さなくなった。そう、完全に距離ができてしまったのだ。
対して悲しくもならなかったし、好きにしろと思っていた。決めるのは彼女なのだから、僕が口出しをすることはない。
今年の夏は、きっと何の想いも抱かず、何の出来事もなく終わることができる。
そう思うと、少しだけ彼女に会いたくなった。
彼女は僕にとってなんだろうか。
それを知ったのは、今の僕じゃなく、この後の彼女がいない世界の僕だった。

花火とかき氷

初めての投稿作品です。
少し長めのお話にしようと思っているので、最後までどうぞお付き合いください。

花火とかき氷

彼女の流した最後の涙と、彼の想いが交差する。 言葉にして伝えきれない彼と、もう会うことのできない彼女の、 切ない恋愛ストーリー。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-31

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