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繊細なんじゃない。怖いぐらいどうしようもないぐらい自分のせかいを知らないだけ。泣きそうになってもだれもこの手をとってくれないし、戦わなきゃその気持ちを捨てなきゃなんてぐちゃぐちゃでたどり着けない永遠の場所をいまもひとりで探している。

怖いぐらいどうしようもないぐらい世界は私のためにあって、だからいつも私を置き去りにして回ってた。怖かったけど忘れたら生きられた。だからここまでころしてきてしまった。
うんざりするぐらい何度もあの夕焼けを求めて、気が狂ってるんじゃなくて、それが普通だった。まともでいられないから、たぶんすこし頭がおかしかった。

ものさしはずいぶんと前に捨ててしまったから、あなたがいなきゃ。かっこわらい。そんな人はじめからいなかった。いなくなったらつらいひとたちはもうすでにここにいない。私の心はつかれきってくさりきって逆に正常。
何度も何度も影分身の術で線路の中に飛び込んで、いつも通り過ぎていく光を見過ごしていく。それは救いだったし、絶望だった。うつろな目でこんな棒にも針にもかからないようなことばを吐き出して、乾いていく目をしばたかせながら、虎のあの子の歌に思いを馳せる。ざまあみろって言ってくれたらよかった。私に君がざまあみろって。
馬鹿な夢が今日も電車と共に走る残念ながら今日も生きていた。

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-30

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