田舎?ナニソレオイシノ?

yukitaka no takayuki

田舎に移り住んだとある少年のお話

俺の想像と違う件

ゆらりゆらりと車に揺られ、俺は父と共に父の実家に向かっていた。
父の親、つまり俺の祖父と祖母は先月中にこの世を絶った。祖父と祖母のいなくなった父の実家は不動産屋に売り渡す事を親族から言い渡された。
父にとってその家は血の繋がりのない祖父祖母との大切な空間だそうだ。
家は遺言により父の所有物だが、なかなか決断しない父に数多い親族の圧力がかかった。
15歳の俺も祖父と祖母が大好きだったがゆえに、実は俺も売り渡す事には反対だった。そこで俺は父にこう言った「俺と親父だけで引っ越そう」と。
だが、なんとなく言ったわけではない。
ある目的のために、だ。
斯くして俺と父、基、親父は田舎に引っ越すことになった。


時は春、車で走り行く道には都会では目にすることはできないであろう桜があたり一面に咲いている。
少しばかり肌寒い気がするが、春の陽気を車内からも感じる。
窓を開けると空気が入ってくる。その空気はなぜか美味しく軽い。
(空気が都会とじゃ全然ちがうな~)
そう思っていると空気が焦げ臭い。
(ん?)
外を見渡すと、一人のお爺さんが何か燃やしていた。
(え?)
「親父、アレ何燃やしてるか分る?」
息子の問いに親父はチラッと外を見て言った。
「あ~、あれは干して枯れた雑草とか、家にある処分しきれなくなった紙とかを灯油をかけて燃やしているんだよ」
「え?そんなことしていいのかよ?近所に迷惑とか掛かんないの?」
「まぁ、皆ふつうにやってることだし、この辺ではそう珍しい事じゃないしねぇ」
「マジか…もっと自然と調和してるイメージだったよ、俺」
「田舎ってそんな感じだよ?」
前言撤回、田舎も所によっては空気が二酸化炭素並に重いし、炭素の味がします。
「で、実家まではあとどれくらいで着く?」
「もう、10分くらいかな」
埼玉からおおよそ4時間、車に揺られていると薄らと眠気が降りかかった。
そして俺は寝ていた。

気づくとこれから最低3年は住むであろう親父の実家に着いた。
「いや、これからは俺の家か」
そんなことをひっそりと呟いている合間に荷物が淡々と運び込まれ、親父が不意に言う
「近所にあいさつ回りに行くぞ」
「お、うん」
簡単に相槌を打ったものの、俺は思った。
(荷物運び終わるの待たないと事業者さんが困るでしょうが!)
それはさて置き、俺は親父と共に挨拶周りを始めた。
相手の大半は老夫婦で親父とは顔見知りが多い、それどころか小中の時の同級生も多いため、すんなりと事は運んだ。
残るところあと数軒というところだ。
「さ、ここが最後だ」
そう親父は言う。
ピンポーン
チャイムを鳴らすとタッタッタッタッタと軽快に階段を下りてくる音がした。
「どうぞー」と言う声が聞こえたので親父は玄関のドアに手を掛け、開いた。
ドアを開けた向うには一人の少女が立っていた。
「こんにちは、私たちは埼玉から引っ越してきた長奥 雅冶と言います。こっちは息子の鋼」
「よろしくお願いします。よろしくね鋼くん」
そう言って無邪気に笑う。
(可愛くない?)
「よろしく」
俺は内心の動揺を隠し短く答えた。
「実は今、母は手が離せない状況ですので少しまっててください」
「はい、わかりました」
親父は簡単に答えた。その物足りなそうな答えのせいか、少女はこちらを見つめてくる。
「君、ちょっと遊びに行かない?この人借りていいですか?おじさん?」
「どうぞ」
「いや、どうぞじゃねーだろ!」
「ごたごた言わないで、ほらいくよ!」
そう言いながらナチュラルに手を握り、引っ張られる。展開はやっ!
「お、ちょ…!」
(そんな事されると好きになるでしょうが!)

田舎は以外に不便じゃなかった件

昼の日差しに当たりながら、俺は名前も知らぬ女子に手を引かれどこかに向かっていた。
そして、以外にも足が速い。
(何なんだよ…)
彼女は迷いない足取りでどこかに向かう。
坂を超え、池の横を通り過ぎ、木の陰に日から隠れながら走る。走ること3分、到着したのは神社と公園が足して2で割った神社兼、公園擬きだった。
(神社か…?公園…か?)
「ココは御宮だよ」
おい、心読むなよ。エスパーなの?。
「え、あ…そうか」
戸惑いを隠せないのはやはり彼女が苦手だからだ。リア充とまでは言わないが、まっすぐで迷いのない素直なやつだ。そうゆうやつは苦手だ。そして、神社の、公園のベンチに指を指す彼女。
そこには、二人の男女が座っており、仲よさそうに話す。
(C4爆弾落ちてないかなぁ~)
「あの二人が何だっていうんだ?」
「二人じゃなくて三人」
「もう一人は?」
「ほら、あそこに」
そう言って彼女は神社(御宮)の縁側を指さす。
「あ…」
リア充に気を取られて全く気付かなかった。男か女か分らないが、確かに縁側で仰向けになっている人がいた。
「おーーい!皆ちょっと見て!この地区に新人くんが入ったよー!」
彼女はいきなり叫び、そんな事を言う。
(まぁ、ここはおとなしくしてみるか。引っ越して早々に面倒な人間関係は作らない方がいいだろうし、彼女の好意ゆえのものだから仮に俺がリア充になろうとも俺はわ悪くない)
ベンチに座っていたリア充二人がこちらに来た。
「君が引っ越して来たっていう。僕は東城晴良、高ニだ、よろしく。で、こっちが妹の思雨」
「思うに雨でしうって読みます。ちなみに中学三年生だよ、よろしくね!」
なるほどな、と感心してしまった。だが、ここまで仲がいい兄妹は逆に今の時代珍しい。
まるで愛し合っているかの様だ。
「俺は長奥鋼だ。今年で高一だ、よろしく」
俺は短く最低限の情報しかない自己紹介を済ませた。が、ふと気になった。
「そういえばお前の自己紹介はまだだな」
そう、ここまで俺を連れてきた彼女の名をまだ知らないのだ。これがリア充の実力なのか・・・
「私は菊寺夏穂君と同じ高校一年生、入学式は終わっちゃったけどよろしくね!」
「お、おう・・・」
春なのにまるで向日葵が咲いたかのように眩しくこちらに微笑んできた。なんでこんなに元気なんでしょうね。その輝きともいえる元気に圧倒されてしまった。
「で、あそこに横たわってる奴が十ヶ崎沙衣、お前と同じ高一。愛想みたいなものはないけどいいやつだから」
晴良はご丁寧に気になっていた彼女の紹介をした。
「沙衣ちゃんこっちきなよーー!!」
夏穂が呼ぶとスッと起き上がり、こちらに歩み寄ってきた。そしてこちらを凝視してきた。コワッ!
「誰?」
「長奥鋼くん、今日引っ越してきたんだよ」
夏穂がフォローを入れるが、沙衣は無反応だ。そしてまたこちら見る。しかもガン見彼女どうにかして!視線で殺しにかかってるんですけど

田舎?ナニソレオイシノ?

今回少々ではありますが、この作品を創作させて頂きましたyukitakaです。
今回は、父との絡みと回想が作品の大半を占めてしまいましたが、次回ではちゃんと笑いとリア充展開?を盛り込んでいこう思っています。
また、作品に対するアドバイス等はtwitterにてお願いします。作品の質の向上に努めさて頂きます。

田舎?ナニソレオイシノ?

田舎に移り住んだとある少年のお話 ※リア充展開もありますよ!

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-29

Copyrighted
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  1. 俺の想像と違う件
  2. 田舎は以外に不便じゃなかった件