わかれ。
これは知っておいたほうがわかりやすいかなというもの。
あと、小説ではない何かになってしまいました。自分でもわからないので。
あらすじ
バスに乗るため待合室に入ったナギ。その後中性的な見た目の人が来る。話を聞くところによると、アオと言う名の少女だった。ナギの旅の話をする。そこにやってきたハルとアキ。独特のつぎはぎな語り口で話の絶えない4人。
一話
ナギ「…」
アオが入ってくる
アオ「やぁ」
ナギ「…」
アオ「お前だよ。平日に一人で、お前どう見ても学生だろ」
ナギ「え?あ、そうだけど。僕は旅をしてるんだ。」
アオ「へ〜。なんで」
ナギ「学校なんていう小さな額縁から飛び出してさ、もっと大きな世界に行こうと思ったんだ。」
アオ「You knows how to live.あ、私の名前はアオだ。よろしく」
ナギ「僕はナギ。よろしく。今のは、どういう意味?」
アオ「あぁ、あれは、『あなたはいい生き方を知っている』だ。で、お前何日くらい旅してるんだ?」
ナギ「もう…20日くらいになるかなぁ…。ちょくちょく家に帰ったりしてはいるけど。」
アオ「へぇ。あたしは結構ここ気に入っててな、ヒマだったり行き詰まるとここに来るんだ。」
ナギ「何をしに?」
アオ「面白そうなやつと話したり、人の会話を聞いたりしてな。そのあとは決まってNo.5の海までのバスに乗る。」
ナギ「アオ…さんは」
アオ「アオでいい。」
ナギ「でも…」
アオ「年か?あたしは18だ」
ナギ「僕は17歳だから、アオさんと呼ばせてもらうよ。」
アオ「わかった。」
ナギ「アオさんは何をしている人なの?」
アオ「あたしは普段、絵とか漫画を描いてる。漫画でバス代を出してるようなもんだ。コンクールとかも出してぇけどな。まだはやいだろうから」
ナギ「すごい…ね。」
アオ「そんなことねぇよ。これだ、っていうのがまだ書けない、ネタがないだけさ。」
ナギ「僕なんか、学校じゃあニート呼ばわりされて。間違ってはないんだけどさ。」
アオ「立派だと思う。学校なんて狭いコミュニティーの中で知ってる奴らとしか戯れねぇ奴らよりも、ヤベェ奴かもしれねぇ赤の他人と会話できる奴の方があたしは好きだな。」
2話
ナギ「そう…かな?」
アオ「それにしてもお前、女っぽいな。ヘタすると狙われるぞ。」
ナギ「狙われる?」
アオ「バスん中とか。まぁ、大丈夫だろうけど。」
ナギ「逆ナンとかはあったけど。」
アオ「へぇー。モテるんだな。」
ナギ「そう…だね。否定はできない。」
アオ「ふぅん。まぁ嘘じゃないんだからいいよ。自慢されても。」
ナギ「ご、ごめん。」
アオ「謝ることないさ。嘘ついてないんなら。」
ナギ「う、うん。」
アオ「ま、そんなに美形なら頷けるな。」
ナギ「アオさんは?」
アオ「あたしは一切モテやしないさ。見た目はもちろんだけど、こんな性格だ。寄ってくることはないな。」
ナギ「僕は好きだけど。アオさんみたいな人。」
アオ「なんだよ。嘘はやめろ。」
ナギ「そんな真っ赤な顔でつねられても痛くないですー。」
アオ「赤くなんかないっ。」
ガラガラッ
ハル「あっ。」
アキ「ん?どうしたの?」
ハル「え、いやあの。」
アオ「あ、入っていいぞべつに。」
ナギ「うん。」
ハル「し、失礼します。」
アキ「えーっと、君は…。」
ハル「アオさん、でしたっけ?」
アオ「おぉ、よく覚えてんな。」
ハル「なんてったって」
ハルアキ「ピエロですから。」
アキ「隣の青年は?見ない顔だけど。」
ナギ「うーん。旅人してる、ナギっていうものです。二人はもしかして…。」
ハルアキ「もしかしてももしかする。」
ハル「Aと」
アキ「Bです。」
ハルアキ「そう、かの有名なピエロ『Eng』です。」
アオ「お前らはいつ見てもすごいな。って言ってもここでしか見たことないが。」
ナギ「アオさんEngを知らないの?新聞とかにコラム載せたりとかしてて、すごい有名なのに。」
アオ「あぁ、あたしは世間から取り残されてるようなもんで、最近の流行りとかわかんねぇんだよ。」
ナギ「流行り…。」
アオ「んだよ、バカにすんな。」
ハル「アオさんは今日も海へ?」
アオ「あぁ。いつも通りだな。」
アキ「それで、どこ行くの?まさか、海を見るだけじゃあないでしょう?」
アオ「海岸沿いのデカイ家だ。そこに知り合いが住んでてな。」
ナギ「知り合い?」
アオ「最初は海を見るだけだったんだけれど、ある日その家に住んでるやつに声をかけられたんだ。それから仲良くなって、海に行く度にそこにも寄ってる。」
ナギ「どんな人なの?」
アオ「そうだな…。お前よりも細くて、色が白い。病弱らしく、あまり家から出ないんだそうだ。」
ナギ「男?」
アオ「あぁ、もちろん。女とはどうも、波長が合わないらしい。」
ハル「彼氏さんとかではないんですよね?」
アオ「そういう関係じゃないさ。あたしにその気はないし、向こうだってそうだろう。」
アキ「そう見せかけて、ってのもあるかもよ?」
アオ「だったらまだいいけどな。そもそも女として見られてねぇって。」
ナギ「アオさんは十分魅力的だよ。僕としては…だけど。」
アキ「アオさんモテモテじゃん。」
アオ「だからそんなんじゃねぇって。」
ハル「本人に聞いて見ないとわからないじゃないですか。ねぇ?」
ナギ「う、うん!自分で判断すべきことじゃないって。」
アオ「まぁ、それもそうだな。で?お前は本心で言ってるのか。それとも、社交辞令?」
ナギ「僕はいたって本気だよ。アオさんは魅力的だ。」
アオ「単純に変人なだけじゃねぇのか。」
アキ「変人ではあるけど、そこがいいんじゃないの?ねぇ?」
ハル「僕に聞かれても困るんですけど。正直に言わせて貰えばここに来る方々はほぼ全員。変人ですし。」
アキ「確かにそうだけどさぁ…。」
ナギ「ちなみに、アオさんは露出狂、なの?」
アオ「は?」
アキ「あー。服、はだけてるし。」
アオ「これはこういう服なんだよ。あと、露出狂ではない。」
ナギ「かっこ良くなりたいなぁ…。」
アオ「なんだよ急に。」
ハル「アオさん見てると概念がぶち壊されますよね。」
アオ「喧嘩売ってるのか?」
最終話
アキ「いやいや、あくまで褒めているんだよ。」
ハル「アオさんがとても魅力的だから。」
アオ「男としてだろ。まぁ別に女らしくしていても窮屈でつまらないだろうが。」
ナギ「でも、意外と女性的じゃない?」
アオ「そう言いながら頬を撫でるな。変態。」
アキ「わーナギさん変態だー。」
ハル「いけませんよ。そういうことしちゃ。」
アオ「ほら。」
ナギ「それくらいじゃやめないよ。」
アオ「暴力は苦手なんだ。やめろ。」
ナギ「んー。…。やだ。」
ハル「なかなか手強いですね…。」
アキ「めんどくさい。」
アオ「女々しいぞ。お前。」
ナギ「そうだね。でもちょうどよく釣り合うじゃないか。」
アオ「そういう問題じゃなくて…。」
ナギ「もっと男らしい人が好き?」
アオ「あぁ!上目遣いをするな!あと男らしい輩は嫌いだ。気持ち悪くなる。」
ハル「ほんと、二人お似合いですね。」
アキ「微笑ましいったらありゃしない。」
アオ「そろそろ其れ止めろ。」
ナギ「なんで?」
アオ「お前の今の目やばいぞ。」
ナギ「どういうこと?」
アオ「その…言葉にするのは難しいんだが。」
ハル「簡単に言っちゃえば、気持ち悪い…ですね。」
アキ「うん。気持ち悪い。」
ナギ「う…。ごめん。」
アオ「いや別に、いいんだけど。」
ハル「あ、そろそろバス来ますかね。」
アオ「お前らどうするんだ?」
アキ「今日はどうせ休みだし。海くらいだったら行けるよ。ねぇ?」
ハル「そうですね。行きましょう。」
ナギ「僕も今日はそっちに行ってみようかな。」
アオ「なんだ。全員行くのか。じゃあ、行こうか。そろそろ出発する頃だ。」
ナギ「わーい」
アオ「なんだよ。」
ナギ「手くらいいいじゃん。」
アオ「お前ホンットチャラいな。」
ナギ「そうかなー?」
ハル「もう二人とも!いちゃいちゃするのはいいですがもう少し急いでください!」
アオ「あぁ、はいはい。ほら、行くぞ。」
ナギ「ふふっ。うん。」
アオ「キモいぞ。」
アキ「ほら早く!」
四人が乗り込んだバスは、海へ向かって走り出しました。この先の話はまたどこかで。
わかれ。
短くて、一本にまとめても良かったのですが日を開けて書いたのでできませんでした。すみません。個人的に、口調やら性格が話によって変わってしまったことが反省点です。これからもいろいろ書き、少しでも面白いと思ってもらえるよう精進いたします。