プロット「波紋」

数万人もの従業員が働くある巨大企業。その指導的立場にある者(つまり父親的な存在)とその下の者との倫理的関係はたいへん良い。良心に関しても、法令に関しても、企業コンプライアンスの良く実践された企業である。

ある日、歴代の経営陣による、因襲のように行われ続けた不適切な会計処理が顕になる。

その翌日、一人の若い女性が消息を断つ。その女性は、巨大企業の従業員ではない。その女性の血縁の者や友人が、巨大企業で働いているわけではない。要するに、その女性と巨大企業とは全く接点は無い。未知の反社会的組織Xが、組織の結束力を高めるため、その若い女性を誘拐し、殺害したのである。また、Xには、社会に影響力のある巨大な組織がその過ちを現した時、社会に悪徳が蔓延ることを期待して、何かの行動を起こす特徴がある。

さて、会計上の問題が現れた巨大企業では、その全従業員が会社の更正を信じて、今まで以上に毎日の業務に励む。

プロット「波紋」