あなたは私をこれっぽっちも好きじゃない

一目惚れしちゃった

かっこいい、なにあの笑顔。まぶしい。率直にそう思った。

高校入学1日目、先輩方との顔合わせの対面式。私は一目惚れをした。

部活動紹介で、その先輩は私の後ろに来た。体中熱くて、今にも好きですと言ってしまいそうで、気付いたら見つめていた。漫画でよくある、好きな人の周りには星やダイヤがキラキラが付いている、まさにあんな感じ。私には先輩の周りだけが輝いて見えたのだ。一目惚れはよくする、いわゆる熱しやすく冷めやすいタイプだ。
あの人が過ごすこの高校での世界はキラキラとした青春なのだ。
本気でそう思った。

先輩はきっと見つめられていることにも気付いてたと思う。
だってあれだけ周りを巻き込んで騒いでたから。部活動紹介は基本的に2年生がやるようだ。先輩は部活動紹介には出てなかったから、きっと帰宅部か、3年生。
皮のブレスレットと腕時計をしていて、お腹を抱えて笑う、笑う時には歯がキラって出るんだ。初めて会ったばかりなのに、先輩が頭から離れない。
名前、部活、家は、…彼女はいますか?
先輩。教えてください。
いてもたってもいられなかった。

部活動紹介が終わり、私たちに気付いた女バレの先輩たちが、声をかけてくれた。春休みに1度だけ、元バレー部を集めて3人で見学に行ったのだ。先輩方は皆フレンドリーで気軽に話せるようなそんな人たちだった。私を含め見学に行った3人はもう入部を決定していた。

あなたは私をこれっぽっちも好きじゃない

あなたは私をこれっぽっちも好きじゃない

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-25

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