いつもの日々と

更新は結構自分の気が向いた時になります。ご了承下さい。
まだまだ拙いところばかりですが、良ければ読んでいただけると嬉しいです。

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「日向沙耶 あずま中から来ました。趣味は絵を描いたり、本を読むことです。よろしくお願いします。」
新学期の自己紹介。正直私は苦手だ。私は人前にでるのがあまり得意ではないから、いつも必要以上に緊張してしまう。言う前にずっと考えて、良い言い方を模索するけど、結局いつも同じことを言ってしまう。

…私はいわゆるコミュ障なのだろうか…?席の周りが男子だというのもあるとは思うけど、ずっと縮こまって一人でうつむいてしまっている。中学の頃はそんなことはなかった。さすがにダメだろうと、自分をしかり、私はすっと顔を上げた。

顔を上げた先にあるのは、男子の背中。自分の周りが全員男子だから当然のことではあるが、さすがに少し気まずい。ふと、このひとの名前、なんて言ったかな…。そう思い、配られた席の表を見た。野中はづめ…くん。男子で名前がひらがななのは珍しいな、と思い、ぼーっと彼の背中を見つめた。

休み時間。もう既に友だちグループができはじめていた。うるさく騒いでるのと、静かに話して笑っているのと他にもいくつかあったが、私はとりあえず静かなほうのグループに声をかけた。たぶん自分の性にあうのはこういう人だと思ったから。そして私の読み通り、すぐに打ち解けることができた。

その日のうちに、クラスのひととLINEを交換して、結構充実した高校生初日を過ごすことができた。…と思う。

いつもの日々と

いつもの日々と

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-24

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