いるかのほし ホントの最終回63 いるかキーホルダー2

いるかキーホルダー2

 「わかった・・・・!!ほら、あの時、打ち上げられたイルカたち、きっと、困って迷って打ちあがったんと違う気がする・・・。
 クックが無意識にバックにつけた季節外れのイルカのキーホルダーのこと考えてたら、数字のこと、思い出したよ・・・・・・・。ほら、あの時と同じや・・・。
 バックからこぼれたコインは50円玉2枚やった・・・。ほら、5050。何気に見る数字も、ほら、1212、1515・・・・・。ペアや・・・・・・・・!!ね!!・・・これ、やっぱりイルカちゃんからの合図やで!!」

 「イルカちゃんは、見えない世界で元気!!何かあそこで打ち上げられることに、私らのわからない意味があってんよ・・・・・。だって、ひどい地震が、起こらずに済んでるやん・・・・・・・。」

 「・・・・・・、でも、なんで、あんなにワイハハ島では、イルカに近づけなかったんかな・・・。おっさん、もったいつけてさあ・・・。」

 「・・・・・、なんでかなあ・・・・・・。私らが、イルカとあんまり近づいてほしくない理由って、なんやろね・・・・・。」

 「・・・・・、あのイルカも、きっと何か居ることに意味のあるイルカやったん違う・・・?すごいイルカやから、まだ、ほんとに近づくのは早かったんかなあ・・・・・。」

 「・・・・、おっさん、完全に邪魔してたなぁ・・・・・。くやしいなあ・・・・・。」

 思い出したピコは、ホントに悔しそうだった。あの時、もっと間近にイルカを見てたら・・・・・・・・。

 ・・・・・・、どうなってたのかな・・・・・・・・。

 私の会った?イルカは、一見にんげんやからなあ・・・・・。今度は、イルカの形のイルカにも会いたいな・・・・って、外見はどうでもいいんやけどね・・・・・・・。

 ニュースも、ひとも、何か珍しい自然現象が起こると、わからないから、すぐにマイナスに解釈してしまうけど・・・・・・・。
 海岸で息絶えたイルカたちのことも、とてつもない大きな世界の中の、何かの理由と考えると、「いい・わるい」なんて、すぐに判断なんてできない・・・・・。もし、それを、「ありがとう。」って言える方向へ、解釈できれば・・・・・・。それも、ホントなのかもしれないって思えてくる・・・・・・。

 「全部、この世は、自分の中の写し・・・・・」そんな、ことばが浮かんでくる・・・・・。「自分の感情も、人のせいじゃない。自分が責任をもてる自分のもの・・・・。」

 そう考えると、楽しくなってくる・・・・・。見えない世界・・・。あるも、ないも、自分が決めること・・・・・。合図かどうかも、その理由も、全部、自分が自分に確かめて・・・・・・・・・・。

 「そうだ」とおもったこと、それを放さないで行こう・・・・・・・・・・・・。ピコもポコもそう思っていた・・・。きっと、打ち上げられたイルカたちは、「そうだ」と思って、打ちあがったんだ・・・・・。・・・・・・そんな気がする・・・・・・・・・・。

 わからないこと、みえないもの・・・・・。ピコの周りには、その存在のおちゃめで粋な合図が・・・・・・・・。

 ・・・・・ラインを閉じて、ふと見た時間・・・。111112・・・!!おしい・・!!もうちょっと・・。きっと今の自分ってこんな感じ・・・・?やっと、楽しくなってきた・・・・・!!ピコは、にっこり立ち上がった・・・・・・。
 

いるかのほし ホントの最終回63 いるかキーホルダー2

いるかのほし ホントの最終回63 いるかキーホルダー2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-22

CC BY-NC-ND
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