延びあかり

不台

大きくなる木の

木の葉の間から伺う空は

なんとも小さく

負けている


昼は木陰でいる野原は

夜には風となって波となるだろう

遠くにいるものは私と言い

近くにいるものは君なのだ


運ばれてくるところは文句なく

ただ転がって見上げる

そこにこそ見つけた空があった

広く、限りなく、孤独を思わせる

大きな波の空

帰ることの知らない

一歩通行の空

君は来られない

一人の空

君には君の

夢の空

大きく伸ばす

新しい苗

延びあかり

延びあかり

大きくのびるなら

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-20

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