友情<誘惑

「今日1時に××駅前で~!」「OK!」

いつもと変わらない、平凡だけど楽しい日々。

これがずっと続くことを願ってる。でも願うならそれ相応のコトしなくちゃ。

でも私はしてない。ただやましいことをしないで胸を張って生きてく。それだけのコトなのに・・・

昨日、私は友達の財布の中身から1000円取った。おこづかいが少なかった。もともとくれる数がすくなかった。

ほんの出来心だった。少し魔が差しただけなんだ。そこにひとつの財布が目に入った。いっぱいあるんだもの。1000円くらい…

  * + * + * + * + * + * + * + * + *

「とっちゃった・・・」

それから我慢してたものを友達とおそろいで買った。

友達はなんで年中金欠の私が買えるようになったのかわからないようだったけれど、そんなことはしったこ

っちゃない。今私はしあわせ。それでいい。

次の日から私は頻繁に盗むようになった。

少しだけ、少しだけ、と繰り返しているうちに後ろめたさもなくなってきた。だんだん金額も上がってった。

いつものようにロッカーで盗もうとしたその時、

「なにしてるの!?」

そこにいたのは親友と・・・財布の持ち主だった。

「最近羽振りが良くなったから…お金が最近なくなったって子があんたをうたがったの…だからあんたはやってないって証明したかったのに…」

「ごめん!返すから!ちょっと魔がさし…」

「もういい!もういいから…話しかけないで。」

そんな…みんなが離れていく。

私どうやってこれから生きていけばいいの?

どうやって罪を償えばいいの?

私は屋上のフェンスに手をかけていた。

     * * * * * * * * * * 

わたしはなんでここに…?

あぁ、自殺に失敗したんだ。情けない。

ん?これは…

私は近くにあった花を手に取った。

だれからだろ…

「あい、ゆり」

え・・・?私のこと恨んでるんじゃないの・・・?

お金盗んじゃったのに…裏切ったのに…ごめんね…

「この花はムスカリといいます。花言葉を調べてください。」

青いきれいな花…私は早速スマホで調べた。

「ムスカリ…っとあったあった」

「ムスカリ:寛大なる愛、明るい未来、通じ合う心…」

許してくれたんだ…涙が出てきた。

私は最後まで見ないですぐ学校に行った。もう我慢できない!

つくえには、「泥棒!」「裏切り者!」と書いていた。でも大丈夫!許してくれたんだから!

「あい~!ゆり~!」

手を触れようとしたとき、

パシッ

え…?はじかれた。

「どうして?」

「花言葉調べろっていったでしょ」

そう言って去って行った。

まさかー…私は再びインターネットを開いた。そのページを何度も読み返した。

「ムスカリ:失望、失意」

手紙を読み返した。最後のほうだった。

「あなたには失望です。もう友達でもなんでもありません。話しかけないでください。」

そんなー…

私は再び強い決意とともに屋上に登ったのだった・・・

友情<誘惑

友情<誘惑

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-03-27

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